パキスタン、スパイ容疑のインド軍元将校に死刑判決

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記者会見の場で写し出されたインド海軍元将校の画像=16年3月、イスラマバード

記者会見の場で写し出されたインド海軍元将校の画像=16年3月、イスラマバード

(CNN) パキスタン軍は10日、同国に対するスパイ行為などの罪に問われていたインド海軍の元将校が軍事裁判所で有罪判決を受け、死刑を言い渡されたと発表した。印パ間の緊張はさらに高まる恐れがある。

パキスタン軍によると、元将校は昨年3月、スパイや破壊行為に関与した容疑で逮捕されていた。調べに対し、インドの対外情報機関「研究分析局(RAW)」の任務でスパイ活動などを計画、統括していたことを認めたという。

これに対してインド側は、元将校が裁判中に領事の支援を受けられなかったことは国際法違反だと主張。同国政府は10日、この問題を協議するためにパキスタン外交官を呼び出した。

インド外務省によると、元将校は昨年、イランから拉致された。パキスタンに身柄を拘束されていたことについて同国から信頼性のある説明はなく、有罪を裏付ける証拠も一切なかったという。

同省は声明で、死刑が執行された場合、インド政府と国民はこれを「計画的殺人」とみなすとの立場を示した。

国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(AI)」によると、軍事裁判所の制度は自白の強要や不公正な裁判につながるケースが多い。

AIが今週発表した世界の死刑に関する報告書によると、パキスタンで昨年執行された死刑は87件で、世界5位だった。

インドでも昨年、数百人が死刑判決を受けたが、執行件数は2007年以降で計3件にとどまっている。

印パ間では最近、カシミール地方の領有権などをめぐって緊張が高まっている。死刑判決をきっかけに対立が激化し、大きな危機につながるとの懸念も指摘されている。

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