出稼ぎ労働者60万人に強制労働被害か、人身売買や性的搾取も 中東全域

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報告書は男性の出稼ぎ労働者の被害にも触れ、特に建設や製造、海運、農業の業界での人身売買が顕著と主張。生活や労働環境、与えられる仕事などでだまされる事例が多い。屋内の仕事の提供が砂漠での家畜の群れの世話だった男性もいた。

一方で、全ての出稼ぎ労働者が悪夢のような仕事を強いられているわけではない。母国での貧困から抜け出すため外国に渡り、その目的を果たした労働者もいる。

ILOは、出稼ぎ労働者は中東の多数の国の経済にとって欠かせない存在でもあると指摘。一部の国では出稼ぎ労働者の数が地元の労働者数をかなりの程度上回っている例もある。カタールでは労働者の94%が他国の出身者で、サウジアラビアではこの比率は半分超となっている。

出稼ぎ労働者の待遇改善では中東地域で改善も一部見られる。人身売買根絶の法案成立などで強制労働や人身売買の廃止に近年取り組む政府もある。ILOはただ、この種の法律の施行や人身売買の関与者の処罰が徹底されていないと説明。雇用主の出稼ぎ労働者に対する強い管理権限などでの抜本的な改革を提案。業者ではなく、政府の労働省が出稼ぎ労働者の募集を仕切り、苦情などに対処する方式を促した。

また、全ての労働者の保護や雇用契約の変更、監査強化、賃金差別の廃止などを実現させるための法的措置の拡大も提唱した。

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