ルビオ米国務長官、ウクライナ側の「譲歩」期待 サウジでの会合を前に
(CNN) ルビオ米国務長官は10日、翌日予定されるウクライナとの重要会談を前に、米国はウクライナがロシアとの戦争終結に向けた交渉でどのような譲歩をするつもりか聞きたい考えだと表明した。
記者団の取材に応じたルビオ氏は、「この問題に関するウクライナの立ち位置や、和平実現のために何をする意向なのかを確認したい」と語った。
サウジアラビアの港湾都市ジッダで予定される今回の協議は、ロシアによる3年前の本格侵攻開始以来、米ウクライナ関係が最も冷え込む中で行われる。トランプ米大統領とバンス副大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領の間で激しい応酬が交わされたホワイトハウス執務室での会談後、米国はウクライナへの軍事支援や情報共有を「一時停止」すると発表。停止が実施されて以降、ロシアはウクライナに対する攻撃を続けている。
これに先立ち、トランプ氏は数週間にわたってゼレンスキー氏への敵対姿勢を示し、戦争勃発の原因はウクライナにあるとするロシア政府の主張をなぞっていた。ルビオ氏とウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)、ウィトコフ中東担当特使は先日、サウジの首都リヤドでロシアとの高官協議に臨んだが、これにはウクライナは参加していなかった。
ルビオ氏は10日、軍事援助と情報共有の一時停止が解除されるかどうかは11日の会談の結果が「鍵を握る」との認識を示し、「我々が満足できる良い会談になり、大統領に報告できれば、一時停止措置に関する決定がなされると思う」と説明した。
CNNは米国防当局者2人の話として、米国は依然としてウクライナ軍の防衛に資する情報を共有しているものの、ロシア軍を狙った攻撃に利用可能な情報の共有は「縮小」していると報じた。
ルビオ氏は「明日の会談が非常に有意義なものとなり、ごく近いうちに状況が変わることを期待している」と表明。「ウクライナ国民は多大な苦しみを味わってきた。こうしたことの後では譲歩について語ることすら困難だが、戦争に終止符を打ち、さらなる苦しみを防ぐにはこれが唯一の道だ」としている。