米宇宙軍司令部、コロラド州に残留 トランプ氏の決定覆し

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米宇宙軍司令部の創設式が開かれた2019年8月、ホワイトハウスに掲げられた旗/Evan Vucci/AP

米宇宙軍司令部の創設式が開かれた2019年8月、ホワイトハウスに掲げられた旗/Evan Vucci/AP

(CNN) バイデン米大統領は5日までに、米宇宙軍の恒久的な司令部はコロラド州コロラドスプリングズに残留させるとし、トランプ前大統領が任期切れ前に打ち出していたアラバマ州ハンツビルへの移動案を撤回する決定を下した。

2人の米政府当局者がCNNに明らかにした。アラバマ州への移転については米空軍がトランプ氏がホワイトハウスを去る間際に提案。ケンドール空軍長官は最近、この提案に従った移動をバイデン氏に勧めてもいた。

しかし、バイデン氏は最終的に、司令部はコロラド州にとどまるべきだとする宇宙軍のジェームズ・ディキンソン司令官(大将)の助言を重視。政府当局者によると、司令官は現司令部の機能は今年8月には全面的に稼働する段階に達し、移転は軍の即応態勢を損ねかねないなどと主張していた。

バイデン氏による今回の決定の背景には複数の要因が絡んでいるとし、学校や兵舎の存在など兵士やその家族が一定の水準を超える日常生活を送られる要件の確保が含まれたとした。最も重要な要因は、動きが激しい安全保障環境に直面するこの重要な時期に宇宙に根差す脅威に対処する作戦遂行上の即応態勢への影響だったとも述べた。

オースティン米国防長官は宇宙軍司令部の所在について独自の勧告を示すことはなく、ケンドール長官とディキンソン司令官の主張をバイデン氏に共に提示したという。

司令部のコロラドスプリングス残留の決定は、移動支持を公言してきたアラバマ州選出のタバービル上院議員(共和党)の反発を買っている。同議員は、人工妊娠中絶に関する国防総省の施策に反発して300件以上の米軍高官人事案の承認手続きを妨害する渦中の人物ともなっている。

バイデン氏の決断を受け同議員は声明で、「悲惨な」選択とし、議会が休会中に決めたのは「恥ずべき」とも非難。アラバマ州への移転を求める戦いは今後も続くと宣言した。

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