HIV性感染リスク引き下げの注射薬、米FDAが初の承認

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米食品医薬品局(FDA)が、HIV(エイズウイルス)の性感染リスクを引き下げる「暴露前予防投薬(PrEP<プレップ>)」の注射薬を承認した/China Photos/Getty Images AsiaPac/Getty Images

米食品医薬品局(FDA)が、HIV(エイズウイルス)の性感染リスクを引き下げる「暴露前予防投薬(PrEP<プレップ>)」の注射薬を承認した/China Photos/Getty Images AsiaPac/Getty Images

(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は20日、HIV(エイズウイルス)の性感染リスクを引き下げる「暴露前予防投薬(PrEP<プレップ>)」の注射薬の「Apretude」を承認したと発表した。PrEPの注射薬が承認されたのは初めて。

使用が認められるのは、性行為を通じてHIVに感染するリスクがある体重35キロ以上の大人および10代の若者。まず1カ月間隔で2回の接種を行い、以後は2カ月ごとに接種する。

これまで利用できるPrEPは、「ツルバダ」「デシコビ」の2種類の錠剤のみだった。

FDAの専門家は「毎日錠剤をのまなくてもHIVを予防できる初の選択肢を提供することで、HIV感染を終わらせる取り組みに重要な選択肢が加わる」とコメントしている。

錠剤の場合、毎日服用しなければならないことが大きな課題だったり、現実的な選択肢ではなかったりすることも多かった。

米政府の統計によると、2019年にHIVと診断された新規の症例は推定3万4800例。15年の3万7800例よりは減少した。米疾病対策センター(CDC)の統計によれば、20年には約120万人がPrEPを勧められたが、処方された人はその4分の1にとどまっていた。

Apretudeとツルバダを比較した臨床試験の結果、HIVの感染予防効果は注射の方がはるかに高いことが判明。一方で、Apretudeの方がツルバダに比べて注射部位反応や頭痛、疲労感、背中の痛み、筋肉痛、発疹といった副反応を引き起こす可能性が大きいことも分かった。

Apretudeは医薬品に耐性をもつHIV変異株のリスクがあることから、開始直前と毎回の接種前のHIV検査で陰性だった人のみが接種できる。添付文書には、過敏性反応、肝臓障害、うつなどに関する警告も記載されている。

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