選好投票とは? 米大統領選で初、メーン州が採用

米大統領選や連邦議会選挙で選好投票が初めて実施される/Kamil Krzaczynski/AFP/Getty Images

米大統領選や連邦議会選挙で選好投票が初めて実施される/Kamil Krzaczynski/AFP/Getty Images

(CNN) 米東部メーン州は11月3日に行われる大統領選挙と連邦議会上下両院の選挙で選好投票を採用する。大統領選でこの投票方式が使われるのは初めて。

選好投票とはどのようなものなのか、知っておくべきポイントをまとめた。

選好投票とは?

文字通り、有権者が候補者を好ましい順に順位付けして投票する方式を指す。1番目、2番目、3番目というように候補者に順位を付していく。

勝者となるためには単に票数が一番多い「比較多数」ではなく、票の50%超、つまり「過半数」を獲得する必要がある。

メーン州では、選好は候補者が3人以上いるときに有効となる。票数はラウンドごとに集計され、各ラウンドでは票数が最も少ない候補者が脱落していく。そして残り2人に絞られるまでラウンドは続く。

どのくらい集計に時間がかかる?

投票日の夜、(第1順位の)得票率が50%を超える勝者がいなかった場合は、選好投票の集計ラウンドへと突入する。メーン州では、運搬業者が州内各地から投票用紙や記憶デバイスを集めて、州都オーガスタの安全な場所に運ぶ。そこでは高速の集計機が票を数えて勝者を決定する。

同州州務長官の広報部長、クリステン・ムスジンスキ氏は「このプロセスには約1週間ないし1週間半かかる」と説明する。

全ての候補者を順位付けする必要があるのか?

その必要はない。投票者に求められるのは第1順位の候補者に印を付けることだけである。あとは順位を付けたいだけ付ければよい。

ただし、投票者は各順位につき候補者を1人しか選べない。メーン州では、もし第1順位に2人の候補者を選んだ場合、その票は過剰投票として扱われ、集計から除外される。第1順位を誰にするかという投票者の意思が判定できないためだ。

なぜこのような方法で投票するのか?

選好投票の支持者は、この方法が妨害候補者を避けるのに有用だと語る。これにより、混戦模様の選挙において、少ない票数の比較多数を得る候補者よりも、最も多くの人からの支持を得る候補者が勝つことを確実なものにするという。

特に勝利の票差が非常に小さい激戦の予備選や本選では選好投票が役立つ。候補者は小さな比較多数の票よりも、過半数の支持を得ようとする状況が生み出される。

他にはどこで採用している?

米国での選好投票の実施を支援する団体「FairVote.org」によると、全米で少なくとも18の自治体が選好投票を採用している。市長選や市議会選に採用するミネソタ州ミネアポリスやセントポール、市長選と市議会選、市の監査人の選挙に利用するカリフォルニア州バークレーなどだ。

ニューヨーク市は2021年から全ての市の予備選と特別選挙で選好投票を採用予定だ。

選好投票に反対する意見は?

カリフォルニア州の2人の州知事は、州内全域の市や町に選好投票を採用する選択肢を与える措置に対して拒否権を発動したことがある。ただ、同州のサンフランシスコやオークランド、バークレー、サンレアンドロでは既に実施されている。

同州のジェリー・ブラウン前知事は2016年に法案への拒否権を行使。選好投票について「複雑過ぎて人々を困惑させる。真に情報を与えられた上での選択を行う権利を投票者から奪うことになると思う」と述べた。

19年にギャビン・ニューサム知事も、自治体の選挙で選好投票を可能にする措置に拒否権を発動し、投票者を困惑させるとの懸念を示した。「この制度を広く拡張する前に、選好投票を使っている高度な自治都市からより多くのことを学んだほうが州のためになる」と指摘した。

他に選好投票の利用を考えているところは?

マサチューセッツ州では今秋、選好投票の採用の是非が住民投票で問われる。もし有権者が承認し、法的な訴訟もはねのければ、同州の州レベルの公職、州議会、連邦議会等の予備選及び本選で2022年から選好投票が有効となる。

ただし大統領選や郡政委員、地区の教育委員会委員の選挙には適用されない。

同州ケンブリッジ市では、1940年代から市議会議員や教育委員会委員の選挙に選好投票を利用してきた。同市に住むエリザベス・ウォーレン連邦上院議員は最近、メリーランド州選出のジェイミー・ラスキン連邦下院議員との署名記事でマサチューセッツ州での選好投票の採用を支持する考えを表明した。ラスキン氏の選挙区であるタコマパークは2007年から全ての市長選、市議会選で選好投票を実施している。

ウォーレン氏とラスキン氏は「選好投票は勝者に票の50%超の獲得を求めることにより、大半の有権者に最も広くアピールできる候補者が勝利することを確実なものにする」「選挙民全体に最も広く、深くアピールできる力は、熱烈な少数の選挙民をターゲットとする力に取って代わる。後者の力は大半の有権者の目から見ると、勝利への鍵としては極端であったり、全体を代表していないものである可能性がある」との認識を示した。

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