トランプ氏、出生地主義めぐり下院議長を批判 「何も知らない」
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は31日、米国で生まれた子どもに一律に市民権を与える出生地主義の廃止をめぐり、共和党のライアン下院議長を批判した。出生地主義についてライアン氏は「何もしらない」としている。
トランプ氏は30日、米国で生まれた子どもへの市民権付与を保証した合衆国憲法の規定を、大統領令を使って廃止することができると主張した。
これを受けてライアン氏は同日、ケンタッキー州のラジオ局の取材に、「大統領令で出生地主義に基づく市民権付与を廃止することはできない」と言明していた。
トランプ氏は今回、ツイッターで「ライアン氏は何も知らない出生地主義について意見を述べるのではなく、下院過半数の確保に集中すべきだ」と主張。新たに過半数を確保した場合、共和党は移民制度の抜け穴への対応や国境警備の強化に取り組むとしている。
一方、共和党幹部はトランプ氏のツイートについて聞かれ、ライアン氏を擁護した。「中間選挙の1週間前という時期に素晴らしい方法でメッセージを台無しにしてくれた」とし、「まず出生地主義に関するコメントがあり、今度は過半数維持に尽力する議会共和党トップを批判している」と指摘した。
トランプ氏はさらに、大統領令で出生地主義を廃止できるとの主張を改めて展開した。ただ、議会の立法作業による廃止のほうが好ましいとしている。
ライアン氏は来年1月の任期満了に伴い議員を引退する予定。中間選挙が近づくなか、共和党候補の応援に当たっている。ラジオ局の取材に応じた際は、再選を目指すアンディー・バー下院議員の支援のためケンタッキー州入りしていた。