医師が自分の精子で患者の不妊治療、生まれた子どもらが提訴
(CNN) 米アイダホ州で不妊治療を行っていた医師が、自分の精子を使って患者の女性を妊娠させたとして、この女性や生まれた子どもが医師と医療機関を提訴した。
原告は患者だったサリー・アシュビーさんと当時の夫のハワード・フォーラーさん、不妊治療で生まれて今は36歳になった子どものケリー・ローレットさんの3人。不妊治療を行ったジェラルド・モーティマー元医師や医療機関を相手取り、3月30日に裁判を起こした。
訴状によると、アシュビーさんとフォーラーさんは1979年にモーティマー医師の診察を受け、人工授精によって80年にアシュビーさんが妊娠。翌年、ローレットさんが誕生した。
アシュビーさんは、人工授精に使われたのは匿名の大学生が提供した精子だと信じていたという。
ところがローレットさんが昨年7月にDNA鑑定を受けたところ、モーティマーという人物と親子関係にあるという結果が出た。ローレットさんはこの名前に心当たりはなかったが、鑑定結果を見たアシュビーさんとフォーラーさんは強いショックを受けたという。ローレットさんも、後にこの人物が母の主治医だったことを知り、戦慄したと訴えている。
3人は、モーティマー元医師らに医療過誤や契約違反があったと主張、同元医師に対しては約7万5000ドル(約800万円)の損害賠償などを求めている。
モーティマー元医師は、既に引退していて連絡が取れなかった。不妊治療が行われた医療機関は、現在同機関に勤務している医師らは訴えのあった治療行為にかかわっていないと説明。ほかの患者からモーティマー医師に対する訴訟は起こされていないとしている。