アフリカの島に取り残されたクルーズ船の乗客8人、追いつこうと必死の試み
(CNN) アフリカ航海のクルーズ船に乗船していた乗客8人が、アフリカ西部の島国サントメ・プリンシペで乗船時刻に間に合わずに取り残されるハプニングがあり、自力でクルーズ船に追いつこうと必死になっている。
ノルウェー・クルーズ・ライン(NCL)の発表によると、乗客8人は3月27日、クルーズ船に乗り遅れた。
「個人またはプライベートツアーで島にいた乗客8人は、船に戻る最後の連絡船に乗り遅れ、現地時間午後3時の乗船時間に間に合わなかった」と同社は述べ、「非常に不運な状況ではあるが、乗客は指定された時刻までに船に戻る責任がある。そのことは船内放送や日々のコミュニケーションで広く伝達し、船を離れる直前にも掲示していた」と強調している。
乗り遅れた乗客のパスポートは本人に渡してもらえるよう、現地の港湾当局に預けたという。クルーズ船に再び乗船するために次の寄港地へ行く費用は、乗客が負担する義務があるとしている。
乗り遅れた乗客のうち、米国人のジル・キャンベルさんと夫のジェイさんがCNN提携局WPDEに語ったところによると、乗り遅れた8人の一行は15時間かけて6カ国を経由し、4月1日にガンビアでクルーズ船に乗船しようとしたという。
ところが同船は干潮のために入港できず、海上で1日余分に停泊した。一行はクルーズ船が2日に寄港予定のセネガルで再び乗船を試みる。
8人の中には高齢者や身体障害者、妊婦もいて、1人は心臓病の薬を5日間服用できずに体調を崩しているという。
ツアーの遅れで乗船時刻に間に合わず
発端は、一行が3月27日にサントメ・プリンシペで参加したツアーが長引いたことだった。
「『残り時間が少なくなっている』と私たちが伝えると、『大丈夫、1時間で戻れるから』という返事だった」とジェイ・キャンベルさんは振り返る。キャンベルさんがWPDEに語ったところによれば、ツアー会社が船長に連絡を取り、戻るのが送れると伝えたという。一行が到着したとき、船はまだ港に停泊していたのに、船長が乗船させてくれなかったとキャンベルさんは訴えている。
「港湾長が同船に電話しても、船長が電話に出なかった」「クルーズ会社の緊急連絡先にメールしたところ、『船とは電子メールでしか連絡が取れません。我々のメールに返信がありません』と告げられた」(キャンベルさん)
一行は薬もないまま置き去りにされ、サントメ・プリンシペで使えるクレジットカードを持っていない乗客も多かったことから、キャンベル夫妻のクレジットカードで一行のために多額の費用を負担したという。
さらに、別のツアーに参加していた乗客1人も急病でサントメ・プリンシペの病院に入院してクルーズ船に乗船できず、キャンベル夫妻が米国の家族と連絡を取って帰国の手配を手伝っているという。
夫妻がクルーズ船に乗船したのは3月20日だった。