Arts

盗まれたピカソ絵画、20年ぶりに発見 31億円の価値

Arthur Brand via AP

盗難に遭い、行方の分からなくなっていたピカソの絵画がこのほど、オランダの美術品専門の探偵によって20年ぶりに発見された。作品には2800万ドル(約31億円)の価値があるという。

「ドラ・マールの肖像」あるいは「女性の胸像」と題されたこの絵画は、1938年に制作された。ピカソが亡くなる73年までは画家本人の住居に飾られていたという。

ところが99年、フランス南部の港町で、当時の所有者だったサウジアラビアの富豪のヨットから何者かによって盗み出され、所在不明となっていた。

その後、オランダの闇市場で取引されているとのうわさが流れた。「美術界のインディ・ジョーンズ」の異名をとるアーサー・ブラント氏の下に、盗まれたピカソ絵画についての情報が届いたのは2015年のことだ。

そこから4年の調査を経て、ブラント氏は当該の絵画が長年にわたり犯罪地下組織の間で流通していた事実を突き止める。麻薬や武器の取引の際、担保として定期的に使用されていたという。

今月になってブラント氏は、「合法的な取引」によって絵画を入手したという「オランダのビジネスマン」の代理人2人から連絡を受けた。早急に絵画の安全を確保するべきというブラント氏の助言を受け、代理人2人はアムステルダムにあるブラント氏のアパートへ絵画を持ち込んだ。

7世紀の石灰岩のレリーフと写真に納まるレリーフアーサー・ブラント氏。このレリーフはスペインの教会から盗まれていた/NIKLAS HALLE'N/AFP/Getty Images
7世紀の石灰岩のレリーフと写真に納まるレリーフアーサー・ブラント氏。このレリーフはスペインの教会から盗まれていた/NIKLAS HALLE'N/AFP/Getty Images

絵画はニューヨークの美術館に所属するピカソの専門家が鑑定し、本物であることを確認。現在は保険会社の手元に置かれている。

盗難に遭った美術品の発見・回収を専門に手掛ける法律事務所アート・リカバリー・インターナショナルのクリストファー・マリネロ最高経営責任者(CEO)はCNNの取材に答え、所有する美術品を盗まれた場合は関連する国際的なデータベースに報告するよう強く訴えた。そうすることでディーラーやオークション会社が、自分たちの扱っている美術品が盗品であることに気づく場合があるという。

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