ミス・カナダ、世界大会参加で中国入れず 人権批判原因か
香港(CNN) 中国・海南島で開催中のミスコンテストの世界大会「ミス・ワールド」に出場予定だったカナダ代表が入国ビザの発給を拒否され、参加出来なかったことが28日までにわかった。
カナダ代表で中国出身のアナスタシア・リンさんが中国の人権擁護の現状を公然と批判していたことが絡んでいるとみられる。
リンさんはCNNの取材に応じ、香港の空港で海南島への接続便にビザの問題で搭乗出来なかった経緯を説明。「チェン」と名乗る中国当局者からの電話で到着に伴う入国ビザは出せないと通告されたという。
リンさんは中国政府が非合法な邪教の勢力として弾圧する気功集団「法輪功」の信奉者であることを明かした。「人々は今回のビザ拒否のことを知るべきだと思う。氷山の一角の事例」とも述べた。
中国に居住するリンさんの父親は治安当局者から嫌がらせを受けたとし、ミス・ワールドへの参加を思いとどまるよう連絡してきたという。「父は非常におびえ、私と電話で話すことも恐れていた」とも述べた。リンさんは10代の時、カナダへ移り住んでいた。
英ロンドンに本部があるミス・ワールドの主催団体や中国外務省にリンさんの問題についてコメントを求めたが、返答はない。
リンさんは大会に参加するため中国に入国ビザを申請したが、海南島の主催者側から招待状が届かなかった。大会に参加する他国の女性は招待状を得ていたという。リンさんはその後、カナダを含む21カ国の国民は到着後に観光ビザを入手でき、最長で15日間滞在出来る待遇を与えられるため海南島への出発を決心していた。