生命の兆候示す気体、金星で検出 地球にも存在

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厚い金星の雲の中から、生命活動に由来するとみられる気体の兆候が検出された/NASA/JPL-Caltech

厚い金星の雲の中から、生命活動に由来するとみられる気体の兆候が検出された/NASA/JPL-Caltech

(CNN) 生命活動の兆候として知られる気体を金星で検出したとする研究論文が、科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載された。地球にも存在する気体の発見は非常に驚くべきものだとしている。

当該の気体はホスフィン(リン化水素)と呼ばれ、地球では可燃性の有毒ガスとされる。酸素を必要としないバクテリアが生成し、腐った魚やニンニクに似た臭いを発する。有機物の分解によっても発生する。

金星は地球から最も近い惑星で大きさも同程度であることから、しばしば地球の「双子」と形容される。厚い大気の層が熱を閉じ込めるため、その表面は鉛が溶けるほどの高温となっている。

金星の雲は強酸性なのでホスフィンはすぐに破壊されるはずだが、14日に公開された研究チームの論文によれば、米ハワイとチリのアタカマ砂漠にある望遠鏡で観測したところ、ホスフィンの痕跡に特有のスペクトル状の兆候が検出された。雲全体に占めるホスフィンの濃度の割合は、10億分の20と推計されている。

研究チームはホスフィンの兆候の原因として、地表の火山の影響や微小隕石(いんせき)で運ばれた可能性、雲の中での化学反応などに言及しているが、発生源を特定するには至っていない。

今後の研究により、ホスフィンの発生源や金星の大気中に存在する理由が明らかになる可能性がある。また将来金星の雲や地表のサンプルを入手できれば、そこから発生源を突き止められるかもしれない。

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