軽度認知障害の患者、生活習慣の変化で認知機能改善か 米研究
例えば運動療法では有酸素インターバルトレーニングを勧められた患者もいれば、バランスボールを使った運動やウェートトレーニングを勧められた患者もいた。
食事については、例えば眠りを妨げないために午後2時以降はカフェイン入りのコーヒーを飲まないこと、1日12時間以上の間、糖質を摂取しないことなどを指示した。
このプログラムには、アルコールの摂取や乳製品の摂取、ミネラルとビタミン、睡眠衛生、新しいことを学ぶための教育、音楽、瞑想(めいそう)、マインドフルネスなども盛り込まれた。
その結果、軽度認知障害(MCI)と診断された患者で、21項目の生活習慣変更のうち60%に当たる12項目以上を実践した人は、1年半後に記憶力と思考力が向上した。
一方、実践率が60%未満だったMCIの患者に改善は見られず、記憶力や思考力は減退し続けていた。
また、現時点で認知症の兆候は表れていないものの遺伝的リスクがあるとされたグループは、実践率に関係なく認知機能の改善が見られた。
アイザクソン氏はこの実験について、ライフスタイルの変化が認知機能に及ぼす影響を調べることを目的としたもので、アルツハイマー病の予防は意図していないとしながらも、「医師と患者が一緒になって脳の健康増進を目指すための道筋が示された」と評価している。