南極大陸の氷河に「融解の連鎖」 海面上昇が加速か

氷河が海に張り出して浮いている状態の「棚氷」と、陸上の「氷床」との境界を「接地線」という。アムンゼン海沿いの氷河はこの接地線が海面より低い位置にあるため、温かい海水にさらされやすい。その結果、接地線は後退し、海面上の棚氷の体積が小さくなる。棚氷は背後からすべり下りてくる氷河をせき止めきれなくなり、海への流れが加速する。氷が薄くなることによって、接地線はますます後退する。

「ひとつの後退が次の後退を呼ぶ。連鎖は止められない」と、リグノット氏は説明する。6本の氷河には、後退を遅らせる山や丘陵もない。

同氏によると、地球温暖化とオゾン層の破壊で周辺の風向きが変化し、温かい海水が流れ込みやすくなったことも要因のひとつと考えられる。その上NASAによれば、アムンゼン海の海底は南極海のほかの領域に比べ、温かい海水を呼び込みやすい地形だという。

アナンダクリシュナン教授は、南極大陸の太平洋側の氷床が50万~60万年前にいったん消滅していたとの見方を示す。今後、アムンゼン海沿いでの融解が周囲の氷床に影響を及ぼす可能性もあるという。NASAの推計によると、大陸の太平洋側全体では、世界の海面を約4.9メートルも上昇させる量の氷があるとみられる。

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