中国で電力不足深刻化、突然の停電や操業制限も 世界供給網への影響懸念

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中国東部の江蘇省にある石炭火力発電所=27日/Chinatopix/AP

中国東部の江蘇省にある石炭火力発電所=27日/Chinatopix/AP

中国は6月にも電力不足に陥っていたが、エネルギー価格の上昇や二酸化炭素(CO2)排出削減の取り組みに伴って産業への圧力が強まる中で、状況はさらに悪化している。

世界最大の汚染国とされる中国は、2030年までにCO2の排出量を減少に転じさせるという目標を掲げる。その目標に向けて各自治体に対し、例えば発電用の石炭燃焼を減らすことによって化石燃料の使用を削減するよう求めている。同時に、世界経済の回復に伴い中国製品に対する需要が急増した結果、十分な電力が行き渡らなくなった。

ただでさえ品薄や世界的な輸送の遅れに直撃されている世界の供給大手は、中国の電力不足の影響に身構えている。

アップルのスマートフォン「iPhone」の部品製造と組み立てを担う台湾のペガトロンは28日、電力危機に関するCNN Businessの取材に対し、中国政府の政策に協力して省エネの仕組みを発動させ、生産量を減らしているとコメントした。台湾メディアによると、ペガトロンの工場がある中国東部の昆山市では、当局が電力供給を制限している。

調査会社カウンターポイント・リサーチの専門家によれば、電力の割り当て制は、IT部品の供給網にとって新たな頭痛の種になりかねない。ただ、世界的な半導体の品薄の影響で、自動車や洗濯機まであらゆる家電製品が打撃を受けているほどの深刻な事態にはならないだろうと予想。スマートフォンの部品組み立てが行われている地域での停電によって、1週間程度の遅れが出るかもしれないと予想している。

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