「空の玄関」でテロ、苦境の観光業界に追い打ち トルコ
香港(CNNMoney) トルコの主要都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で先月下旬に起きた連続自爆テロ事件を受け観光大国である同国の関連企業がさらなる打撃を受けるのは必至となっている。
同国を訪れる外国人観光客らはイスタンブールや首都アンカラで以前多発したテロ事件の影響で下落基調にあり、トルコ政府の統計によると今年1月~5月期は23%減を記録。先月28日の新たなテロはトルコの空の表玄関で起きただけに観光業界への悪影響はより深刻とみられる。
トルコへの外国人観光客らは毎年3000万人以上とされ、その大半がアタチュルク国際空港を通過する。トルコ航空が拠点とする同空港は利用客総数でも世界で上位にある。
世界旅行ツーリズム協議会によると、トルコの国内総生産(GDP)のうち観光関連は5%を占める。観光業界が建設など他の業種にもたらす経済の波及効果はこの数字の中に含まれていない。
トルコの観光業界は過去10年、目覚ましい成長を遂げてきた。同国の投資支援・促進担当部局によると、同国への訪問者数は2002〜14年の間、200%の急増を示した。
ただ、14年以降は後退が目立ち、富裕な欧米諸国からの訪問者が減り始めていた。今年の最初の5カ月間におけるドイツ、英国や米国からの観光客らは20%以上下落した。
訪問客が多かったロシアは80%以上の激減を示した。トルコ軍が昨年11月、シリアとの国境近くでロシア軍機を撃墜した事件の後にロシア政府が制裁措置として打ち出したトルコへの渡航規制が主要要因となっている。