プーチン氏「クマは許し乞わず」 制裁などの経済苦境で
(CNN) ロシアの国営テレビ「チャンネル1」は18日までに、同国のプーチン大統領による年恒例の記者会見の宣伝を狙ったとみられる映像を放映した。同大統領はこの中で、「クマは決して許しを求めない」などとする強気の姿勢を示した。
プーチン氏は会見で欧米諸国による経済制裁や原油価格の下落などで悪化を続ける自国経済に焦点を絞ると予想されるが、クマを引用した発言は欧米諸国の圧力には屈しないとの意思表示ともみられる。
映像には映画の予告編のような脚色がみられ、戦車などが出動した戦場、泣き叫ぶ子どもや今年のソチ冬季五輪での勝利の場面の他、プーチン氏の姿が多数盛り込まれた。しかし、世界9位の規模を持つ自国経済の苦境については触れなかった。
また、映像の語り手は2014年に触れ、「難しい決断を迫られ、長く待ちわびていた数々の勝利を得た」年だったと指摘。これがロシアと大統領に意味するところは大統領自身が教えるだろうとしめくくった。プーチン氏は「ロシアは決して信条を変えない」とも強調した。
同氏の国内での支持率は90%にも迫る高率を維持しており、ウクライナのクリミア半島の併合やウクライナ東部の親ロシア派勢力への支援後も上昇の気配を見せていた。
ロシア経済は現在、ウクライナ情勢への介入による経済制裁の影響などでひっ迫しており、通貨ルーブル安の加速で国民のドル買いも広がっているとされる。金融当局は通貨危機の回避で対抗策を打ち出しているが、ロシアの国際社会での孤立化は過去25年で最悪の状況にあるとの指摘もある。