荒廃したガザ北部、パレスチナ避難民の帰還が始まる
ガザ北部、パレスチナ避難民の帰還始まる
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区北部で27日、避難していたパレスチナ人数万人の帰還が始まった。何カ月にもわたる激しい砲撃と戦闘によりガザはがれきと化している。
イスラエルは27日、ガザ北部への回廊を開放したが、当初の予定よりも48時間遅れてのことだった。イスラエルは今回の遅延について、イスラム組織ハマスが、パレスチナ人のガザ北部への帰還を保証する停戦協定の条件に違反したためだと主張している。
イスラエルは、停戦合意に基づく人質の解放で、25日に民間人女性が解放されるとみていた。しかし、この女性が解放されなかったため、イスラエルはガザを二分するネツァリム回廊の開放を遅らせ、パレスチナ人がガザ北部に入ることを拒否した。イスラエル首相府は26日、ハマスがその後、この女性民間人を含むさらなる人質の解放に合意したと明らかにした。
ガザの報道部門によれば、回廊が開放されて以降、30万人を超えるパレスチナ人がガザ北部に帰還している。

「徐行! 前方に検問所」と表記されたイスラエル軍の標識/Za’anoun/CNN
上空から見ると、ガザへ戻る人々は、海岸をのぼり、その後、内陸へと向きを変える動きの遅い巨大な波のようだった。子どもや負傷者、高齢者もいるなか、多くの人々は徒歩で移動している。子どもを背中に背負う人たちもいた。帰還した人々の多くはイスラエル軍が避難を命じた後、一時的な難民キャンプで何カ月も過ごしていた。パレスチナの人々は何カ月もの間、この瞬間を待ち望んでいた。
女性のひとりはCNNの取材に対し、息子はガザ市にある自宅を初めて見に行くと語った。「息子はハンユニスで生まれた。ガザ市に戻るというのはなんとも言えない気持ちだ。前は10分で行けたのに、今回は1年半もかかった」