フィリピン船と中国船が南シナ海で衝突、両国が互いを非難

（ＣＮＮ） フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海で起きた衝突をめぐり、両国が１０日、互いを非難した。

西フィリピン海国家対策本部（ＮＴＦ―ＷＰＳ）はＸ（旧ツイッター）に掲載した声明の中で、中国海警局などの船がフィリピンの民間補給船を妨害し、危険行為を行ったとして非難した。

フィリピン沿岸警備隊は、放水によって少なくとも２隻が損傷したとしている。

フィリピン側の１０日の発表によると、フィリピン船のうち１隻はフィリピン沿岸警備隊によってパラワン島に曳航（えいこう）され、もう１隻はマストを損傷した。

別の補給船１隻も中国海警局の船に衝突されたが、無事ＢＲＰシエラマドレに到達して再補給を行っているとした。

フィリピン側は「中国の一方的な威圧行動と危険行為を再度非難する」と述べ、「我々の国民の命が危険にさらされた」としている。

一方、中国海警局は、フィリピン船が中国の領海を「不法侵犯」したと述べ、「法に従ってフィリピン船に対する抑制措置」を講じたと説明した。

その上で、フィリピン船が「中国からのたび重なる警告を無視」して「プロらしくない危険なやり方で故意に方向転換し、中国船に衝突した」と主張。「全責任はフィリピンにある」と強調した。

南シナ海ではフィリピンがセカンド・トーマス礁（フィリピン名：アユンギン礁、中国名：仁愛礁）の領有権を主張して、１９９９年に配備した元米海軍艦「ＢＲＰシエラマドレ」に部隊を常駐させており、領有権を争う中国との間で衝突が増えている。