製鉄所で投降のウクライナ兵、「行方分からず」「連絡取れず」 家族が訴え

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親ロシア派の付き添いでアゾフスターリ製鉄所を出るウクライナ軍兵士=16日/Alexander Ermochenko/Reuters

親ロシア派の付き添いでアゾフスターリ製鉄所を出るウクライナ軍兵士=16日/Alexander Ermochenko/Reuters

(CNN) ウクライナ南部の港湾都市マリウポリで、アゾフスターリ製鉄所に最後まで残って抗戦を続けていた兵士たちについて、居所に関する情報が一切、あるいはほとんどないとして、家族が不安を募らせている。

製鉄所に残っていた数百人のウクライナ兵は、2週間前、抗戦をやめた。

「夫とはずっと連絡が取れていない。夫についての情報もない」。アンナ・イブレバさんはCNNの取材にそう語った。海兵隊員だった夫のアントンさんは、ロシア軍による製鉄所の包囲が続く中で重傷を負った。

イブレバさんがアントンさんと最後に話をしたのは1カ月以上も前だった。

「最後に話をしたのは4月13日だった。その後、戦友から私宛てのメールで、夫はまだ生きているという知らせがあった」(イブレバさん)

ウクライナ政府は接触を続けているものの、アゾフスターリ製鉄所にいた兵士たちがどこにいて、どんな状況に置かれているのかについては「何の情報もない」とイブレバさんは言う。

それでもイブレバさんは希望を捨てていない。海兵隊員の妻や家族同士で常に連絡を取り合っているという。

長期間にわたって包囲されていたマリウポリは、最後の抵抗拠点だったアゾフスターリ製鉄所が降伏したことで、今月に入り、ロシア軍に完全制圧された。

ロシア軍に拘束されたウクライナ兵の人数は分かっていない。ロシア軍は、アゾフスターリ製鉄所で2000人以上のウクライナ兵が投降したと主張している。

ロシア側は、アゾフスターリ製鉄所に立てこもっていた兵士たちを「ナチス」と呼ぶプロパガンダを展開しており、拘束された兵士たちの扱いについては重大な懸念が浮上している。

海兵隊員のボーイフレンドがアゾフスターリにいたというヤナさんは、匿名でCNNの取材に応じ、身の安全に関する不安を口にした。「彼からも、彼についても何の連絡もない。私たちが最後に連絡を取ったのは5月11日だった」

ウクライナ政府は、ボーイフレンドの居場所に関する情報を何も提供してくれないとヤナさんは訴える。

「彼のお母さんには(赤十字国際委員会=ICRCから)連絡があった。彼は生きているとだけ告げられた」(ヤナさん)

ICRCは、捕虜が家族と連絡を取る手助けをする目的もあり、今月17日以来、アゾフスターリ製鉄所を出た戦闘員の登録にかかわっている。

やはり夫が製鉄所にいたというテチアナさんのもとには、夫から投降後に知らない番号を通じて電話があり、仲間の一部は分離独立派が支配するドネツク地方の町で拘束されていると知らされたという。

「夫の声は穏やかでしっかりしていた。自分たちが拘束されている状況は大丈夫だと言い、いずれは荷物を受け取ることが許されるようになるかもしれないと話していた」とテチアナさん。この時は夫と10分ほど話し、また電話を試みると夫は告げたという。

しかし、その後は何の連絡もない状況が続いている。

「それきり、電話も知らせもない」とテチアナさんは話した。

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