トルコ大統領、クーデター鎮圧宣言　６０人死亡か　逮捕者７００人超

イスタンブールでは主要な橋を封鎖していた反乱軍が投降する映像などがメディアで伝えられている。また、一時閉鎖されていた同市のアタチュルク国際空港が業務を再開。１５日夜に反乱軍が襲って放送を中断させていたテレビ局も放映を開始した。

エルドアン大統領は１６日、滞在先の同国マルマリスからイスタンブールのアタチュルク国際空港に急きょ戻って国民向けに演説し、国家への反逆行為とするクーデターの阻止を宣言した。

これ以前には国民に対し街頭での抗議活動も鼓舞。これに呼応したデモ隊は数万人規模とされ、軍との衝突を伝えるビデオ映像も流れていた。大統領はマルマリスで滞在したホテルで自ら離れた後に爆発が起きた事実も明かしていた。

今回の騒乱ではイスタンブールやアンカラなどでの銃撃戦、議会での爆弾事件、反乱軍によるボスポラス橋など主要橋梁の封鎖や一部テレビ局の閉鎖が発生。政府軍もしくは反乱軍の戦闘機が上空を飛び回り、戦車や装甲車両が出動するなど戦時下を思わせる光景が広がっていた。

エルドアン大統領は与党・公正発展党（ＡＫＰ）の共同創設者の１人。２００３年に首相に選出され、４選を禁じる憲法規定により１４年には大統領選に転じて当選。大統領職は儀礼色が強いが、憲法改正で権限拡大を試み国内では強権志向を強めているとして批判も受けている。同氏は極端な保守主義者とも評され、実権を掌握して以降、施策にもイスラム教の教義が色濃く反映されるようになったとされる。