大型貨物船の座礁、原因は1等航海士の飲酒 全速力で衝突

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今年2月に起きた座礁事故は、当直の航海士の飲酒が原因だった

今年2月に起きた座礁事故は、当直の航海士の飲酒が原因だった

(CNN) 英スコットランドで今年2月に起きた大型貨物船の座礁事故で、当直だった1等航海士がラム酒0.5リットルを飲んで勤務し、同船を全速力で座礁させていたことが当局の調べで分かった。

事故を起こしたのは7000トン、全長129メートルの貨物船。今年2月18日午前2時半ごろ、北アイルランドのベルファストを出航してノルウェーのスコーグンに向かう途中、英スコットランド西部アードナマーカン半島の海岸に全速力で突っ込んだ。

この事故で約25トンの軽油が海上に流出。けが人はなかったが、船体は損傷が激しく廃船にするほかなかったという。

海難捜査当局のその後の調べで、事故当時、同船の唯一の当直だったロシア人1等航海士(36)が酒に酔っていたことが判明。1等航海士は勤務時間外に自室でかけた電話が原因で情緒不安定になってラム酒0.5リットルあまりを飲酒。その後、午前0時から勤務に就いた。

しかし酒に酔っていたため航路の調整ができず、乗員に非常事態を告げるための警報のスイッチも入っていなかったという。

事故後の呼気検査で、1等航海士の呼気から基準のほぼ8倍に当たるミリリットル当たり2.71ミリグラムのアルコールが検出された。

同船を所有するDFDSは乗員の飲酒を一切容認しない方針で、無作為の飲酒や薬物検査を実施しているはずだった。ところが船内にはアルコール類を販売する売店があり、乗員が規定を破ってアルコール飲料を買っていたことが判明。乗員に対する抜き打ち検査が行われた形跡もなかった。

DFDSは既に、売店をなくして抜き打ち検査態勢を見直すなどの対策を講じている。事故を起こした1等航海士は解雇された。

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