ヘイリー氏、トランプ氏からの批判を「癇癪」と一蹴 CNN対話集会

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ニューハンプシャー州での対話集会に参加したヘイリー前サウスカロライナ州知事/Will Lanzoni/CNN

ニューハンプシャー州での対話集会に参加したヘイリー前サウスカロライナ州知事/Will Lanzoni/CNN

(CNN) 米大統領選の共和党候補指名をめざすヘイリー前サウスカロライナ州知事は18日夜、ニューハンプシャー州でCNN主催の対話集会に参加し、23日に行われる同州予備選の目標は「強くなること」だと述べた。

ただ同予備選でトランプ前大統領に勝利する必要があるとは明言しなかった。

その上で、個人的な目標はアイオワ州での結果を上回ることだと述べた。15日に開催された同州の党員集会でヘイリー氏はトランプ氏、デサンティス・フロリダ州知事に次ぐ3位。得票率では前者に32ポイント差、後者に2ポイント差をつけられた。

しかし世論調査の結果によれば、ニューハンプシャー州でのヘイリー氏の支持率はトランプ氏との差を大きく詰めている。同州ではより穏健な共和党有権者からの恩恵を得られそうだ。

対話集会では、バイデン大統領との対決を想定した調査で他の共和党候補者を上回った結果に言及。「人々を党に巻き込みたい。最終的に我々は、米国人としてまとまり、団結しなくてはならないのだから」と述べた。

最近自身に向けられたトランプ氏の批判については「癇癪(かんしゃく)を起こしている」と非難。自らの存在が「脅威」となり、「不安」を感じているのだと分析した。

対話集会の中で、ヘイリー氏がデサンティス氏に言及することはなかった。ヘイリー氏はかねて今回の共和党の予備選を自身とトランプ氏の一騎打ちだと見なしていると公言。18日夜の議論は、トランプ氏に照準を絞ったものとなった。

ヘイリー氏によるトランプ氏批判は、もっぱら同氏をバイデン氏と結びつけ、米国の進歩と結束にとって両者が二重の脅威だと印象づけようとするものだった。

「我々は80歳の2人が大統領選に出馬するのを本当に望んでいるのだろうか? 国が無秩序に陥り、世界が燃えさかっているこの時に」と、ヘイリー氏は問いかけ、トランプ氏が訴訟を抱えているように、バイデン氏の周辺にも疑惑があると指摘した。

「他のことに気を取られている人物はいらない。我々に必要なのは、米国を愛し、自分の時代が終わったと悟った時には次世代のリーダーに道を譲ることのできる人物だ」(ヘイリー氏)

今週初め、ヘイリー氏はFOXニュースとのインタビューで、共和党は人種差別的だと思うかと質問を受けた。これに対して同氏は、米国が「人種差別的な国であったことは一度もない」と答えている。 MSNBCのある司会者からは、有色人種の女性であるヘイリー氏が共和党の指名を獲得できるかどうか疑問視する声も上がっていた。

対話集会でも、上記の答えを支持するかという質問が飛んだ。米国には奴隷制など合法的に人種差別を行ってきた歴史がある。ヘイリー氏はこれに回答し、米国の建国の理念は、全ての人々は平等に作られているというものだったと強調した。

その上で米国最初のマイノリティー女性の知事となった自らの業績に言及。トランプ政権下では国連大使も務めたとした。また現在はあまりに多くの人々が自国を嫌悪する思いにとらわれているが、本来米国は「人種差別的」ではなく、「祝福された」国だとの見解を示した。

トランプ氏による自身への人種差別的な言説については、「私はトランプ大統領のことをよく知っている。脅威を感じている時、彼はあのような行動を取る。不安を覚えている時の行動だ」と述べた。

トランプ氏は最近、ヘイリー氏の出生時に両親が米国籍を持たず、ヘイリー氏が大統領選に出馬する資格はないとうその主張をソーシャルメディアに投稿した。ヘイリー氏はサウスカロライナ州バンバーグ生まれで米国籍を持っており、大統領選の出馬資格も有する。

トランプ氏はヘイリー氏のファーストネームの「ニマラタ」にも言及した。ヘイリー氏の両親はインドからの移民で、出生名はニマラタ・ニッキー・ランダワ。結婚後は夫のラストネームを使っている。

対話集会でヘイリー氏はトランプ氏のコメントを「中傷」と一蹴。それに対してエネルギーを割くつもりはないと述べた。

またヘイリー氏は、仮に自身が大統領となり、トランプ氏が現在直面する刑事訴訟のいずれかでも有罪となった場合は、恩赦を検討するだろうと述べた。

「もはや彼が無罪か有罪かという問題ではない。実際には『どうやってこの国を再び一つにまとめるか』が問われている。だからあらゆる分断、あらゆる混乱を確実になくす決意を固めている。彼への恩赦で、それらは全て消え去ると思う」(ヘイリー氏)

そうした措置が、「国の傷を癒やしてくれる」とも感じていると、ヘイリー氏は述べた。

トランプ氏は4件で起訴され、91の罪状に問われている。本人は一切の違法行為を否定している。

外交面に関して、ヘイリー氏はバイデン政権がイランに対してより攻撃的な姿勢を示していないと批判。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスも、イエメンの反政府武装組織フーシも、共に背後にいるのはイランだと指摘した。

また米軍のアフガニスタン撤退については、トランプ氏とバイデン氏の両者を非難。ヘイリー氏によれば、イスラム主義勢力タリバンと米国内での交渉を提案したのはトランプ氏の誤りである一方、バイデン氏は米軍の撤退を急ぎすぎたという。

イスラエルとハマスの紛争を巡っては、昨年10月7日のテロ攻撃以降、「イスラエルは自国を第一に防衛しなくてはならない」と主張。イスラエルにとってハマスの存在が不安を呼び起こすものであることは理解できると述べた。

その上で、イスラエルがテロとの戦いの最前線に立っているとの見方を示唆し、「イスラエルが米国を必要としたことは一度もない。いつだって米国の方がイスラエルを必要としている」と指摘した。

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