週末にかけ全米で銃乱射事件続発、８人死亡　乳幼児含む６０人超が負傷

（ＣＮＮ） 銃犯罪の増加が問題になっている米国で、１８日～２０日にかけての週末だけで少なくとも９件の銃乱射事件が発生し、少なくとも８人が死亡、乳幼児を含む６０人以上が負傷した。

アーカンソー州デューマスの自動車ショー会場で１９日に起きた銃乱射事件では、１人が死亡、２７人が負傷。これほど大勢の死傷者が出たのは、テキサス州西部のショッピングセンターで起きた２０１９年の銃乱射事件以来だった。

銃暴力に関するデータを収集する非営利団体「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によると、今年に入ってこれまでに米国内で起きた銃乱射事件は少なくとも１０７件。同団体やＣＮＮは、銃撃した本人を除いて４人以上が撃たれた事件を銃乱射事件と定義している。

米国の大都市は３分の２以上で２１年に起きた殺人事件の件数が前年を上回り、少なくとも１０都市で過去最高を記録した。ＣＮＮが警察のデータを分析した結果、ほとんどの犯行に銃が使われていたことが分かった。

ルイジアナ州ニューイベリアで１８日に起きた事件では、生後７カ月の乳児１人を含む５人が通りすがりの車に銃撃されて負傷した。

地元警察によると、事件は現地時間の午後９時半ごろ発生。負傷者のうち、乳児１人と大人の女性１人が重傷を負って病院に搬送された。残る３人は命に別条はなかった。

乳児の容体は２１日の時点では安定しており、手術を受ける予定だという。女性は銃撃で左目を失ったが、既に退院した。捜査は今も続けられている。

バージニア州ノーフォークでは１９日未明、銃撃されて２人が死亡、３人が負傷した。警察によると、死亡したのは地元紙記者でＣＮＮの元ニュースアシスタント、シエラ・ジェンキンズさん（２５）とデボン・ハリスさん（２５）。ハリスさんは現場で死亡が確認され、ジェンキンズさんは搬送先の病院で死亡した。

バージニア州マディソンハイツでは１９日、双子の母親だった２１歳の女性が命を落とし、１６～３０歳の男女４人が負傷した。容疑者は逮捕されておらず、警察などが情報の提供を呼びかけている。

１９日にはアーカンソー州デューマスの自動車ショー会場で観客が銃撃され、１人が死亡、２７人が負傷する事件が起きた。アーカンソー子ども病院によると、負傷者のうち少なくとも６人は子どもだった。いずれも命に別条はなく、ほとんどは治療を受けて２０日に退院した。

デューマス警察はこの事件に関して容疑者２人の行方を追っており、１人を別件で拘束した。

テキサス州ヒューストンでは１９日夜、１６歳の誕生パーティー会場前の駐車場で、けんかがエスカレートして１０代の４人が銃撃され、１人が死亡した。

ＣＮＮ提携局のＫＨＯＵによると、けんかには１００人あまりがかかわっていた。ハリス郡保安官事務所は２０日、駐車場の複数カ所で大量の薬きょうが見つかったと発表。１７歳の少年は搬送先の病院で死亡が確認された。ほかに１７歳の２人が病院に搬送され、１４歳の少女が病院で手当てを受けた。容疑者は特定されておらず、けんかが起きた原因は分かっていない。

ノースカロライナ州フェイエットビルのホテルで１９日に起きた事件では３人が死亡、３人が負傷。警察は、無差別の銃撃ではなかったと判断して、情報の提供を呼びかけている。

テキサス州ダラスでは１９日深夜、少なくとも１０人が負傷し、うち１人が重体となる事件があった。ほかにも現場から逃げようとして負傷者が出ているが、負傷者の数は確認できていない。

「サウス・バイ・サウスウエスト（ＳＸＳＷ）」のイベントが開かれている同州オースティンでは１９日夜、２つのグループの間で起きた騒ぎが発端となり、４人が銃撃された。事件は市内の繁華街で発生。警察によると、負傷者はいずれも軽傷だった。容疑者は２０日までに拘束された。

ミルウォーキー州では２０日未明、パーティー会場でけんかがあり、容疑者が数発を発砲、４人が負傷した。このうち２４歳の男性は重体となっている。２８歳女性と２８歳男性、２３歳男性は命に別条はなかった。容疑者は特定されておらず、警察が今も捜索を続けている。