法廷で被告を射殺、証人に襲い掛かる 米ユタ州
(CNN) 米ユタ州ソルトレークシティーの連邦裁判所で21日、刑事裁判の被告が公判中に証人に襲いかかり、連邦保安官に射殺された。
サイアル・アンギラウ被告は犯罪組織の構成員とされ、恐喝共謀罪で起訴されていた。裁判所の記録によると、この日の公判の開廷後間もなく証人の1人に襲いかかったため、数発の銃弾で撃たれた。
米連邦捜査局(FBI)によると、同被告は病院に運ばれたが、胸の銃弾が致命傷となって間もなく死亡した。
法廷内で事件を目撃した女性はCNN系列局のKSTUに対し、「みんなが怒鳴り声を上げて止めようとしたが、男は止まらなかった」「男は逆上していた」と証言した。
アンギラウ被告はペンをつかんで証人に襲いかかり、銃で撃たれたという。別の目撃者は、誰かが「床に伏せろ」と叫び、その場にいた人たちは椅子の陰に隠れたと証言。「男(アンギラウ被告)が倒れても、(保安官は)まだ撃っていた」と話している。
ユタ州の連邦検察によると、撃たれたのはアンギラウ被告のみだった。
裁判官は、発砲を目の当たりにしたことによる陪審団の動揺が激しく、アンギラウ被告が公正な裁判を受けられなくなる恐れがあるとして、審理の無効を宣言した。
同被告は2002~07年にソルトレークシティーで起きたコンビニ強盗に関連して10年に起訴された。同被告に襲いかかられたのは、犯罪組織の構成員の日常について証言していた受刑者だった。