イタリア、世界最長の吊り橋建設に意欲 マフィアと地理的条件が障害に?

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今年3月、橋の計画を発表するイタリアのサルビーニ運輸相/Angelo Carconi/EPA-EFE/Shutterstock

今年3月、橋の計画を発表するイタリアのサルビーニ運輸相/Angelo Carconi/EPA-EFE/Shutterstock

ウィービルドのロンゴ氏は議会で、橋の建設段階だけで国内総生産(GDP)を29億ユーロ押し上げ、10万人の労働者と300のサプライヤーの雇用を生むとし、さらに「雇用される人々の大半は、失業率の高いシチリア島とカラブリア州の出身者だ」と付け加えた。

またロンゴ氏は地理的な課題について、メッシーナ海峡は世界で最もダイナミックな海峡の一つだが、最も研究の進んでいる海峡でもあり、数百万ページにおよぶ研究論文をすべて読んだと述べた。また組織犯罪が関与する危険性についても、「絶対に起こりえないとは言えないが、そもそもそのリスクは低い」との見方を示した。

野生生物への「壊滅的」影響

環境保護主義者らは長きにわたり、橋は地形や野生生物に対して壊滅的な影響を及ぼすと主張しており、所要時間30分のフェリーが最も環境への影響が少ない移動手段だとしている。

しかしサルビーニ氏は、橋の完成がイタリア経済に大きなプラス効果をもたらすことに疑いの余地はないとし、シチリア島に高速鉄道が建設されれば、同島に停泊するアジアからの貨物船に積まれている商品を高速鉄道で欧州各国に輸送できると主張する。

一方、橋の建設に対する海峡の両端の世論は分かれている。貿易が増えたり、観光がしやすくなったりすることによる恩恵がある人は一般に賛成し、シチリア島を孤立させておくことについて気にしない人はおおむね反対の立場だ。

メローニ首相が法令に署名し、橋建設の具体的な計画が実施される道が開かれた今、橋の建設はかつてないほど現実味を帯びている。サルビーニ氏は2024年7月までに着工したいとしている。

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