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「再発見された傑作」 モネの未公開作品、97億円以上で落札の見込み

「完全に隠されていた」モネの連作「睡蓮」の1作がオークションにかけられる

「完全に隠されていた」モネの連作「睡蓮」の1作がオークションにかけられる/Christie's Images Limited 2023

(CNN) 競売大手クリスティーズは、今月初めにニューヨークで開催するオークションにフランスの印象派クロード・モネの未公開の絵画作品が出品され、6500万ドル(約97億円)以上で落札される見込みだと発表した。

「Le bassin aux nymphéas(睡蓮の池)」と題された幅2メートルの作品は、モネの有名な「睡蓮」の連作の一つ。光が降り注ぐ水面に、睡蓮や柳の木が反射する様子が描かれている。

「睡蓮の池」は、1917年から19年ごろに描かれたモネの後期の作品。モネは睡蓮を描いた連作を制作し、それらの作品は現在、世界各地の美術館に展示されている。

モネは生涯の大半にわたり色と光について研究を続け、この作品は「はかない雰囲気、季節の花、水の深さ、きらめく光の反射を探求し、自然のはかなさのダイナミズムと美しさを捉えている」とクリスティーズは声明で述べている。

クリスティーズの20世紀・21世紀美術部門で副会長を務めるマックス・カーター氏は声明で、「睡蓮の池」はこれまで50年以上、ある一族が所蔵しており、「完璧に保存され、隠されていた」と述べた。

「モネに関しては、すべての作品がすでに見尽くされ、語り尽くされてきたように見受けられる」「だが、展示されたこともオークションに出品されたこともなかった『睡蓮の池』は非常にまれで、再発見された傑作だ」とカーター氏は付け加えた。

作品は、クリスティーズが今月9日に開催する20世紀作品のイブニングセールに出品される。

印象派運動の牽引(けんいん)役として、モネは美術界に大きな影響を与え、同じ時代を生きたフィンセント・ファン・ゴッホをはじめとする画家や、ジャクソン・ポロックなど後の抽象表現主義の画家たちにも影響を与えた。

モネの作品は現在、印象派そのものを象徴しており、初期の印象派に対する批判的なあいまいさを払拭(ふっしょく)し、世界中で最も有名な芸術作品の一部となっている。

モネの重要な作品は、これまでにもオークションで目を見張るような金額で落札されている。 連作「睡蓮」の別の作品は、2018年5月に行われたクリスティーズのオークションで8470万ドルで落札。その翌年、連作「積みわら」の絵画作品が、競売大手サザビーズのオークションで1億1070万ドルで落札された。

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