Arts

脳裏に焼き付く美しさ、S・ストーレンハーグが描くレトロなSFアート

スウェーデンのアーティスト、シモン・ストーレンハーグ氏が描く絵は、スウェーデンの田舎のありふれた風景と、捨てられたロボットや謎めいた機械、さらに恐竜までもが登場する、脳裏に焼き付いて離れないシナリオとが、奇妙かつ魅力的に融合している。

これらの絵は、ストックホルム郊外で風景や野生生物の絵を描きながら育ったストーレンハーグ氏の幼少期の思い出と、同氏が大人になってから身に付けたサイエンスフィクション(SF)に対する審美眼の産物だ。

「テイルズ・フロム・ザ・ループ」

ストーレンハーグ氏は当初、描いた絵をフェイスブックやツイッター上で公開し始めた。同氏の「超写実的」な作品には、すでに熱狂的なファンがいる。2014年には、第1作目の本を出版した。この本では、同氏が描いたイラストが小説ほどの長さの物語によって補完されている。

「テイルズ・フロム・ザ・ループ」と題されたこの本の権利を米アマゾンのテレビ番組・映画製作・配信部門であるアマゾン・スタジオが獲得した。同社は、この本を基にした8話完結の実写版ドラマシリーズを制作する。

この物語の舞台は、未来的だがレトロな雰囲気が漂う1990年代初頭のスウェーデンの田舎で、ロボットに囲まれて育つ子どもたちや、奇妙な現象を引き起こす巨大な地下科学施設などが登場する。

パシフィカ

ストーレンハーグ氏は、その後さらに2冊の物語風アートブックを出版した。2016年には「テイルズ・フロム・ザ・ループ」の続編である「シングス・フロム・ザ・フラッド」を出版し、翌17年には「ジ・エレクトリック・ステイト」を出版した。「ジ・エレクトリック・ステイト」の舞台はスウェーデンではなく、米国の架空の州パシフィカだ。ストーレンハーグ氏は、米国西海岸旅行と、その時に撮った写真からこの作品のアイデアを得たという。

「ジ・エレクトリック・ステイト」に収録された作品/Credit: Simon Stålenhag
「ジ・エレクトリック・ステイト」に収録された作品/Credit: Simon Stålenhag

この「ジ・エレクトリック・ステイト」は、アメリカの至る場所に巨大な戦闘用ドローンの残骸が散らばっている1997年の代替現実の世界を少女と黄色いロボットが旅して回るというストーリーだ。昨年、「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」で監督を務めたルッソ兄弟がこの作品の映画化権を獲得した。脚本はアベンジャーズの脚本を書いたクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーが担当する。監督については、ホラー映画「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」のアンディ・ムスキエティ監督と現在交渉中だという。

ファンからのフィードバック

現在ストーレンハーグ氏は、4冊目の本を制作している。この作品は、全てが灰と化した世界滅亡後の世界を旅して回る少年のその両親を描いた大変暗いストーリーだという。

過去の作品と同様、ストーレンハーグ氏はこの本に使われるイラストを事前にネット上で公開し、ファンからのフィードバックとストーリーのヒントを求めている。

近刊の画集「ラビリンス」に収録された作品/Credit: Simon Stålenhag
近刊の画集「ラビリンス」に収録された作品/Credit: Simon Stålenhag

「自分の創作は絵の部分から始まる。作品の舞台となる世界にどのようなキャラクターを登場させるかについて、ある種の漠然とした構想がある。ただそのイメージを実際にイラストに落とし込んだ後、それをツイッター上で公開し、人々がどう反応するかを見る。その反応によって物語の構想が変わることもある」(ストーレンハーグ氏)

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