Architecture

世界で最も細身の超高層ビル、米マンハッタンに完成

米ニューヨークに「極細」の超高層ビルが誕生した

米ニューヨークに「極細」の超高層ビルが誕生した/David Sundberg

世界で最も細身の超高層ビル「スタインウェイ・タワー」が完成し、米ニューヨーク・マンハッタンの有名なスカイラインに新たなランドマークが加わった。

開発業者によると、このスタインウェイ・タワー(別名:111ウェスト57thストリート)の塔状比(建物の幅と高さの比率)は1:24で、「世界で最も細長い超高層ビル」だという。

また西半球で最も高いビルのひとつでもあり、約435メートルという高さは、ニューヨーク市にあるワン・ワールド・トレード・センターの約541メートル、セントラル・パーク・タワーの約472メートルに次ぐ。

このマンハッタン・ミッドタウンの開発には、スタインウェイ・タワーの84階にまたがる60戸のアパートや、隣接するスタインウェイ・ホールの建物も含まれている。

スタインウェイ・タワーを設計したのは、ニューヨークの建築事務所ショップ・アーキテクツだ。またJDSディベロップメント、プロパティー・マーケッツ・グループ、スプルース・キャピタル・パートナーズの3社が建設を担当し、2013年に着工した。ショップ・アーキテクツのグレッグ・パスカレリ所長は、CNN宛てのメールの中で、スタインウェイ・タワーを「桁外れの大きさと雄大さを兼ね備えたプロジェクト」と評した。

ニューヨーク市にスタインウェイ・タワーより高いビルはワン・ワールド・トレード・センターとセントラル・パーク・タワーだけだ/Dronalist
ニューヨーク市にスタインウェイ・タワーより高いビルはワン・ワールド・トレード・センターとセントラル・パーク・タワーだけだ/Dronalist

ペンシルタワーとも呼ばれる超細身の超高層ビルは、1970年代に香港のスカイラインの際立った特徴だったが、それ以来、ニューヨークなどの主要都市も追随した。

スタインウェイ・タワーは強力なメッセージであり、建物の先端部から優雅に、それでいて劇的に細くなっている。最上階のトリプレックス(3階建て)のペントハウスからはセントラルパークを一望できる。

スタインウェイ・タワーを設計した建築家らは、自分たちの主たる目標は、タワーの所在地の歴史的ルーツを祝いつつ、ニューヨークのスカイラインの新しく、かつ大胆な解釈を作り出すことだと語る。

ショップ・アーキテクツのパスカレリ氏は、「我々のチームは、ニューヨークで開発される超高層ビルについてさまざまな先入観を持っていたが、それらは全て、これまで一度もなされたことがなかったことを行う機会に置き換えられた」と述べた。

スタインウェイ・タワーは、スタインウェイ・ホールに追加される形で建設された。スタインウェイ・ホールは25年に建てられた歴史的建造物で、ピアノメーカーのスタインウェイ・アンド・サンズの旧社屋やコンサートホールとして知られる。このかつての文化的拠点は、高級住宅に生まれ変わった。

ショップ・アーキテクツは、「マンハッタンの超高層ビルの黄金時代」やニューヨークのアールデコ建築の歴史からインスピレーションを受けたという。

スタインウェイ・タワーのファサード(正面部分)にはテラコッタのブロックが使用されており、光の当たり方や見る角度によって違った色、質感に見える。

現在、スタインウェイ・タワーは入居者を募集中だ。しかし、建物の幅は非常に狭いが、販売価格は全く異なり、寝室2つのアパートの775万ドルからペントハウスの6600万ドルまで幅広い。

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