米ディズニー、フロリダ州の新社屋建設を中止に デサンティス知事と対立
(CNN) 米ディズニーが「ビジネス環境の変化」を理由に、フロリダ州に10億ドル(約1400億円)を投じて新社屋を建設する計画を中止することが分かった。同社の広報が提供したメモから明らかになった。
今回の決定は、ディズニーがフロリダ州のデサンティス知事と公然と対立する中で下された。デサンティス氏は来週、2024年大統領選の共和党予備選に正式出馬するとみられている。
デサンティス氏の広報はプロジェクトの中止について、「同社の財務状況の悪さや時価総額の下落、株価の落ち込み」を考えれば「意外ではない」とコメントした。
ディズニーはメディア業界全体と同様に、広告環境や脚本家のストライキといった逆風に苦しんでいる。今年2月には、コスト削減策の一環で人員7000人を削減すると発表していた。
新社屋の建設中止とは別に、ディズニーは18日、ディズニーワールドにある「スター・ウォーズ」をテーマにしたリゾート施設をオープンから1年あまりで閉鎖することも確認した。
新社屋の建設予定地となっていたのはフロリダ州レイクノナ。2000人の雇用を生み出すと見込まれ、その多くはカリフォルニア州から移転する予定だった。
地元オレンジ郡の首長は声明で「ディズニーがレイクノナの社屋建設を進めない方針を示したのは残念だ」と表明。「ただ、フロリダ州と経済界の間に包摂的、協調的な作業環境が存在しない現状では、このような結果になる。我々は引き続きディズニーの貴重なパートナーと緊密に連携していく」と述べた。
フロリダ州の民主党トップは、知事の「ディズニーに対する常軌を逸した個人的復讐(ふくしゅう)」により、2000人の雇用と何百万ドルもの追加収入が失われる結果になったと批判した。
デサンティス氏が性的指向や性自認をめぐる学校教育を制限する法案に署名したことをめぐり、ディズニーと同氏の間では1年あまり対立が続く。批判派は同法を「ドント・セイ・ゲイ(ゲイと言うな)」法と呼んでいる。