宇宙空間を走る謎の高速電波バースト、500回超の観測に成功

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カナダ・ブリティッシュコロンビア州にあるCHIME望遠鏡が500回以上の「高速電波バースト(FRB)」を観測した/Courtesy of CHIME

カナダ・ブリティッシュコロンビア州にあるCHIME望遠鏡が500回以上の「高速電波バースト(FRB)」を観測した/Courtesy of CHIME

(CNN) 米国やカナダの国際研究チームがカナダに設置された電波望遠鏡を使って、宇宙空間で発生する謎の現象「高速電波バースト(FRB)」を500回以上とらえることに成功した。米マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究者が9日にオンラインで開かれた第238回米天文学会で発表した。

FRBはミリ秒単位の明るい閃光(せんこう)が走る現象で、予測がつかず、たちまち消えてしまうことから発生源は分かっていない。2007年に発見されて以来、これまでに観測されたバーストは約140回にとどまっていた。

「FRBはキャッチするのが非常に難しい」とMITのマスイ・キヨシ准教授は解説する。「電波望遠鏡を適切な方向に、まさにそのタイミングで向けなければならない。しかもいつ、どこで発生するのかは予測できない」

ほとんどの電波望遠鏡は、月の大きさほどの範囲しか観測できない。つまりFRBのほとんどはとらえることができていないという。

しかしカナダのブリティッシュコロンビア州にあるドミニオン電波天体物理観測所に設置されたCHIME望遠鏡が、その状況を一変させた。同望遠鏡は運用が始まった2018年から電波信号の受信を開始。同年から2019年にかけ、新たに535回のFRBを観測した。

研究チームはこの成果をCHIMEカタログとして9日の学会で発表した。同カタログにより、FRBの観測数が増えただけでなく、位置や特徴に関する情報の幅も広がっている。

それによると、FRBのほとんどは1回のみの発生だったが、61回は18の発信源からバーストが繰り返されていた。繰り返されるバーストは、1回のみのバーストに比べて、それぞれの閃光が続く時間がやや長かった。

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