ミャンマー軍政、サイクロン被災地への支援許可を停止

赤ちゃんを抱くロヒンギャの女性と難民キャンプの破壊された家=5月16日、ラカイン州州都シットウェー/Sai Aung Main/AFP/Getty Images

2023.06.13 Tue posted at 22:12 JST

(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は12日、ミャンマー軍政がサイクロン「モカ」で甚大な被害を受けたラカイン州への人道支援に対する許可を停止したと発表した。

OCHAのバラクリシュナン・ミャンマー常駐調整官兼人道調整官は声明で「われわれの支援が最も必要とされているこの時に、食料や飲料水、避難用品の配送停止を余儀なくされた」と訴えた。

モカは先月14日、ミャンマー史上最大級の勢力で同国西部を直撃。ラカイン州は風速55メートルを超える暴風に見舞われ、約160万人が甚大な被害を受けた。この中には以前から避難生活を強いられ、人道物資に頼って暮らす少数民族ロヒンギャの住民らも含まれていた。

OCHAは先週、同州の被災者11万人に避難所や関連物資、30万人に食料を提供したと発表したが、被災から1カ月が過ぎた今も多くの住民が野外生活を続け、支援を必要としている。

現地はすでに雨季に入り、一部の被災地ではさらに豪雨や洪水が発生して復興の妨げになっている。

ラカイン州北部の町の道路にもサイクロンの被害=5月14日

支援関係者が最近CNNに語ったところによると、同州内の移動はもともと厳しく制限され、支援団体は1カ月前に通行許可を申請する必要があった。

軍政はモカの襲来後もこの制限を解除しなかったため、国連は当局と交渉して物資配達の許可を取得。今月は対象がさらに拡大されることになっていたが、許可は撤回された。隣接するチン州への支援計画も同様に保留されている。

8日には国際医療NGO「国境なき医師団」も、ラカイン州の通行許可が停止されたと発表していた。

同州で活動する国内の支援団体も、通行が制限されたり、物資が没収されたりする事態を恐れているという。

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