LGBTQ活動家など2人に死刑判決、「地球上の腐敗」の罪 イラン

ザハラ・セディギハマダニさんはイランの裁判所によって死刑判決を言い渡された/Amnesty International

2022.09.07 Wed posted at 11:16 JST

(CNN) イランでLGBTQ(性的少数者)の活動家など2人が「地球上で腐敗をまき散らした」とする罪に問われ、死刑判決を言い渡された。国営イラン通信(IRNA)が5日に伝えた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、このうちの1人、ザハラ・セディギハマダニさんは、従来の性別分類には当てはまらない性自認のLGBTI活動家で、性的指向やSNSへの投稿、LGBTIの権利に関する発言などを理由に拘束されていた。

イラン国営メディアによると、もう1人のエルハム・チョブダールさんも同じ裁判で罪に問われ、死刑を言い渡された。

2人はイランの西アゼルバイジャン州などで、「若い女性の人身売買」に関与した罪に問われた。

アムネスティは6日に発表した声明で判決に対する憤りを表明し、有罪と死刑判決を即刻取り下げて、2人を釈放するようイラン当局に要求した。判決についてはイラン最高裁への上訴手続きが行われているとした。

アムネスティによれば、セディギハマダニさんは2021年10月、英BBCのドキュメンタリー番組に出演してLGBTQ虐待について語ったことに関連して、イラクのエルビルで一時的に拘束された。イラクで釈放された後は、イランからトルコへの亡命を試みていた。

しかし11月にイラン革命防衛隊の情報機関が、人身売買ネットワークの「リーダー」をとらえたと発表。この人物はイランの女性を近隣国へ密入国させ、「外国情報機関の保護を受けた」同性愛集団に引き渡す行為にかかわっていたとした。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはザハラ・セディギハマダニさんの釈放を求めた

この人物はセディギハマダニさんだったとアムネスティは述べ、イラン革命防衛隊の発表内容は事実無根だと訴えている。

セディギハマダニさんはトルコへの出国を試みる前、イランの同性愛団体を通じて12月に発表した動画の中で、「自由を目指す旅」に出ると宣言。「もしうまくいけば、引き続きLGBTの人たちを支援する。彼らを後押しして声を上げる。もしうまくいかなければ、私はこの運動のために命をささげる」と述べていた。

アムネスティによると、検察は1月、セディギハマダニさんが「同性愛の宣伝」「反イスラム的共和国メディアとのコミュニケーション」「キリスト教の宣伝」を通じ、「地球上で腐敗をまき散らした」と主張した。

イラン国営メディアは、セディギハマダニさんとチョブダールさんの判決は人身売買に関連したものだと述べ、セディギハマダニさんの罪状や活動、チョブダールさんに関する詳細には言及していない。

IRNAは「SNSに掲載された情報に反して、この2人の罪状は近隣国での教育や雇用の期待を抱かせて女性や若い少女の人身売買を行ったことに関するものだった。彼らは虐待を受け、それが原因で少女たちの多くが自殺に追い込まれた」と伝えている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。