ブラジルのルラ大統領、気候危機でマスク氏を間接批判 緊張さらに高まる

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ブラジルのルラ大統領/Ton Molina/NurPhoto/Shutterstock

ブラジルのルラ大統領/Ton Molina/NurPhoto/Shutterstock

ニューヨーク(CNN) ブラジルのルラ大統領は9日、気候変動を巡り、米起業家イーロン・マスク氏を間接的に批判した。ブラジルの指導層とマスク氏の間で緊張がさらに高まる事態になっている。

ブラジルメディアの報道によると、アマゾンの森林保全団体との昼食会で演説したルラ氏は、「宇宙で何かを探すためにロケット開発を試みるビリオネア(資産10億ドル以上の富豪)」に言及。火星移住計画に関するマスク氏の過去の発言に言及したものとみられる。

ルラ氏はマスク氏が所有するX(旧ツイッター)でも同様のコメントを公開。マスク氏を名指しこそしなかったものの、「彼はここ地球で暮らすことを学ぶ必要がある。自らの資金を使って、環境保全を支援しなければならない」と付け加えた。

ルラ氏のコメントは、マスク氏とブラジルの間の緊張が確実に高まる中で発せられた。

マスク氏は先日、Xの一部のアカウントを禁止する裁判所命令に従わない方針を示し、「強硬な検閲」に反発。これを受け、ブラジルの司法長官は国内のSNSの規制を呼び掛けた。

メシアス司法長官は最近のXへの投稿で、「SNSの規制が急務だ。海外在住のビリオネアがSNSを支配して法の支配に違反し、裁判所命令にも従わず、当局を脅迫するような社会に暮らすことはできない」とつづった。

ブラジル最高裁は声明で、マスク氏の反発は「あからさま」な司法妨害であり、警察の捜査を受けるべきだと表明。最高裁のデモラエス判事も、マスク氏に対する調査に着手する方針を明らかにした。

一方、マスク氏は不満を表明している。ここ数日、何度もXに投稿して不満を表明してデモラエス氏をあざけり、ブラジル憲法に違反しているとして辞任や弾劾(だんがい)を求める事態になっている。

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