ガザ中部の病院、支援チームを率いた英外科医が惨状語る

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イスラエル軍の攻撃によって死亡したパレスチナ人の遺体=2023年、12月25日、パレスチナ自治区ガザ地区のアクサ病院/Ahmad Salem/Bloomberg/Getty Images

イスラエル軍の攻撃によって死亡したパレスチナ人の遺体=2023年、12月25日、パレスチナ自治区ガザ地区のアクサ病院/Ahmad Salem/Bloomberg/Getty Images

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区中部にあるアクサ病院への緊急医療チームを率いた英外科医、ニック・メイナード氏が8日、CNNとのインタビューで現地の惨状を語った。病院周辺でイスラエル軍の攻撃が激化し、チームはわずか2週間でやむを得ず撤退した。

メイナード氏はエジプトの首都カイロでのインタビューで、「あれほど凄惨(せいさん)な状況を目にしたのは初めて。予想したこともなかった」と話した。

爆弾の被害で何人もの子どもたちが手足を切断され、見たこともないほどひどいやけどを負った症例もあったが、投与できる鎮痛剤が全くないことも多かった。胸部や腹部を負傷した患者も目立ち、多数の遺体も運び込まれたという。

イスラエル国防軍(IDF)は、イスラム組織ハマスがガザ地区の病院など民間の建物やその周辺にテロ施設を設けているとの見方を示し、ハマス撲滅に向けた重要な標的として攻撃してきた。一部の病院にハマスの司令部があるとも主張するが、十分な証拠は示していない。人権団体は、ガザの病院が基本的な医療を提供することさえできないと訴えている。

メイナード氏は「ガザには15年近く通い続け、現地の病院で働く友人も多い」としたうえで、「病院を狙った攻撃が相次いでいる。アクサ病院も私が出てからの2日間に攻撃を受けた」と語った。

病院の集中治療室も攻撃され、周辺一帯はイスラエル軍が指定する衝突回避区域から外されたという。

同時に活動していた国際医療組織「国境なき医師団」の外国人医師らも退去を余儀なくされた。同病院に残ったスタッフはごく少数で、稼働できない状態に陥っている恐れがあるという。

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