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傭兵会社トップ、ソレダルの戦いの中心に モスクワの官僚と折り合わず

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外国人投資家との会合に出席したエフゲニー・プリゴジン氏=2016年6月、ロシア・サンクトペテルブルク/Mikhail Svetlov/Getty Images

外国人投資家との会合に出席したエフゲニー・プリゴジン氏=2016年6月、ロシア・サンクトペテルブルク/Mikhail Svetlov/Getty Images

(CNN) ロシアのオリガルヒ(新興財閥)で傭兵(ようへい)会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏は、ウクライナ東部で自分自身の戦争を戦っている。軍の作戦が低迷する中で同氏の発言は荒さが目立ち、より大きな存在感を示すようになっている。

プリゴジン氏は自身とワグネルを本当の愛国者として売り込んでいる。一方、それと対比する形で軍の階層構造の腐敗と能力の低さをあざ笑っている。言葉は激しさを増し、賭け金もつり上がっている。

この数週間、プリゴジン氏はドネツク州東部の占領地近くで姿が目撃され、兵士にオレンジを配ったり、遺体袋を確認したりする様子が見られた。兵士と率直で、時に荒い言葉で会話する場面もあった。

プリゴジン氏は14日に投稿した動画で、激しい争いのあったソレダルの部隊を訪問してきたばかりだと語り、自身の部隊が世界で最も戦闘能力にたけていると称賛した。

エスタブリッシュメント(既得権益層)を批判する機会を逃すことはまれだ。今月にはドネツク州のいずれかの地域で、ワグネルの兵士に向けて「我が国内部の官僚制と腐敗を打破した後は、ウクライナ人とNATO(北大西洋条約機構)、その後は全世界を征服する」と訓示する発言があった。

プリゴジン氏の考える官僚の頂点はショイグ国防相だ。2人はプリゴジン氏が所有する「コンコルド・グループ」に一時認められ、その後はく奪された多額の軍との契約や、シリアでのワグネルの物議を醸した役割を巡って仲たがいの状態にあるとみられている。

プリゴジン氏は13日、この数日間でソレダル周辺で挙げたとされる戦果は自分の部隊が「単独で」成し遂げたものだと語った。

兵士とのやり取りを撮影した映像で、プリゴジン氏が「ワグネルPMC(民間軍事会社)以外に誰かいたか」と挑発的な質問を投げかけると、兵士は「誰もいません!」と答えた。

ウクライナ軍はソレダル陥落を否定し、プリゴジン氏でさえ戦闘は続いていると認めている。

プリゴジン氏の野心には米政府の目にもとまっている。

クーパー国防次官補代理は13日の記者会見で「最近では、ワグネルがロシア軍のどの部隊よりも急速に進軍している状況を確認している」と語った。

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