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台所で発見のチマブーエ作品、仏ルーブルに所蔵へ 29億円で落札

チマブーエ作「嘲笑されるキリスト」の一部

チマブーエ作「嘲笑されるキリスト」の一部/Charles Platiau/Reuters

(CNN) フランス・パリのルーブル美術館はこのほど、4年前の家財処分中に見つかった「国宝」をコレクションに加えると発表した。

フィレンツェの画家チマブーエの手になる「嘲笑されるキリスト」は2019年、仏コンピエーニュにある高齢女性の自宅で見つかった。女性はこの希少な作品をギリシャの宗教的イコンだと思い込み、台所に保管していた。

絵の発見後に鑑定を依頼されたキャビネ・テュルカンの美術専門家、ジェローム・モンクーキル氏によると、所有者はこの縦25.4センチ、横20.3センチの絵の来歴を知らず、チマブーエの作品だとは思いもよらなかったという。

パリで2019年9月23日に撮影された絵の写真/Philippe Lopez/AFP/Getty Images
パリで2019年9月23日に撮影された絵の写真/Philippe Lopez/AFP/Getty Images

1280年に描かれた絵は2019年10月、競売に掛けられ、事前推定額の4倍以上となる約2420万ユーロ(当時のレートで約29億円)で落札された。

しかし、フランス政府がこのタイミングで介入し、絵の輸出を阻止するため「国宝」の地位を付与した。

この措置により、極めて希少な小品は2年半フランスに保管されることになり、その間に政府が買い上げ資金を調達した。

そして今回、フランスのアブドゥルマラク文化相とルーブル美術館のデカール館長が絵のコレクション入りを発表した。

文化省の声明では、「これらの作品の取得はルーブル美術館の力を特別に動員した成果だ。世界の名だたる美術館がのどから手が出るほど欲しがる作品をフランス国内に引き留め、誰もが鑑賞できるようになる」と説明。資金調達の方法については詳しく触れなかった。

文化省はさらに、この絵を「イコンから絵画へ移行する魅力的な時期を示す美術史の重要な転換点」と評した。

現時点で確認されているチマブーエの作品は15点程度にとどまる。今回の絵が「重要な国宝」に位置付けられるのはそのためだと、文化省は言い添えている。

文化省によると、ルーブルにはこれよりはるかに大型のチマブーエ作品「荘厳の聖母」も所蔵されており、両作品とも2025年春の展覧会に出品される見通し。

チマブーエは1240年ごろフィレンツェに生まれた芸術家、チェンニ・ディ・ペーポの別名。ディ・ペーポはルネサンス以前の有数の芸術家として名高いジョットを見いだし、育てた人物として知られる。

「嘲笑されるキリスト」はキリストの受難と磔(はりつけ)を中心とした8場面で構成される2連祭壇画の一部。

英ロンドンのナショナル・ギャラリーには、別の場面を描いた「聖母子と二人の天使」が所蔵されている。絵の取得は2000年。仏AFP通信によると、この絵は何百年も行方不明になっていたが、英国の貴族がサフォークにある祖先の家で発見した。

祭壇画を構成するもう一つ作品「キリストの鞭打ち」は米ニューヨークのフリック・コレクションで見ることができる。

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