地軸の傾きに変化、大量の地下水くみ上げが影響 新研究
ソウル大学の研究者によると、地球の回転軸は大気圧を含む地球上のあらゆる質量の変化の影響を受ける可能性がある。
しかし気圧の変化による地軸の変動は断続的で、変動してもまた元の位置に戻る。今回の研究では長期的な変化に着目し、特に過去の研究では調査していなかった地下水の影響について調べた。
研究チームは地下水のくみ上げに関する2010年のデータをコンピューターモデルに取り入れて、地表の氷の消失と海面上昇に関する観測データを組み合わせ、回転軸の変化を算出した。
続いて同モデルで算出した地下水の質量の変化をもとに、海面の変動を算定し、地下水のくみ上げによって地軸がどの程度変動しているのかを突き止めた。
今後のモデルでは、地球の自転に関する観測データを使って過去に照準を合わせることもできると研究者は話し、「そのデータは19世紀後半からある」と説明している。この情報があれば、時代をさかのぼって過去100年の気候温暖化に伴う地球の変化をたどることもできる。
今回の研究は、地下水のくみ上げが貴重な資源を枯渇させるだけでなく、意図しない結果を地球規模でもたらしていることを物語る。
「私たちはさまざまな形で地球の体系に影響を及ぼしている」「そのことを認識する必要がある」と研究者は話している。