外来種のハチが脅かす空の安全、計器詰まらせ重大事故の危険も

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オーストラリアのブリスベン空港で、外来種のハチが空の便の安全を脅かしている/Glenn Hunt/Getty Images

オーストラリアのブリスベン空港で、外来種のハチが空の便の安全を脅かしている/Glenn Hunt/Getty Images

オーストラリア・ブリスベン(CNN) オーストラリア北東部クイーンズランド州のブリスベン空港で、外来種のハチが空の便の安全を脅かしている。

中南米原産のホウロウドロバチがブリスベン空港で最初に問題を引き起こしたのは2013年。シンガポール行きのエティハド航空便が、離陸から数分後に同空港に引き返した。

オーストラリア運輸安全局の報告書によると、整備士が機体を調べた結果、対気速度の計測に使われるピトー管が、ほぼ完全に泥で詰まっていたことが分かった。

ホウロウドロバチにとって、ピトー管は営巣のための完璧な空洞だった。エティハド機が駐機場にいたのは、出発前のわずか2時間のみだった。

「ブリスベンの地上職員からは、航空機がゲートに到着してからわずか2~3分のうちに、ハチが機首付近を飛び回って偵察していたという報告が寄せられている」。生態学者のアラン・ハウス氏はそう解説する。

ハウス氏はブリスベン空港やカンタス航空と共同で、ハチがピトー管に与える影響について調査した結果をこのほど米科学誌プロスワンに発表した。

適切に管理しなければオーストラリア国内の別の空港や近隣諸国の空港にもホウロウドロバチが到達する危険があると研究チームは指摘し、「重大な事故につながる可能性もある」と警告する。

ピトー管は機首部分に取り付けられて、周辺の大気が流れる速度に関する情報を操縦室に伝える。機体の速度が遅すぎれば失速の危険があり、早すぎれば不具合を起こす危険がある。

エティハド便は自動的にマニュアルモードに切り替わってパイロットが操縦を引き継ぐことを強いられ、空港に引き返した。

ブリスベン空港ではこれまでのところ、ハチを原因とする重大事故は起きていない。しかし1996年2月にバージェン航空の旅客機がドミニカ共和国沖に墜落して乗客乗員189人が死亡した事故では、「小型の昆虫による泥やがれき」でピトー管が詰まったことが原因だった可能性があるとされた。

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