ウクライナ南部オデーサにミサイル攻撃、20人死亡 「ダブルタップ」で被害拡大
(CNN) ウクライナ南部の港湾都市オデーサにロシアのミサイル攻撃があり、ウクライナ当局の15日の発表によると、少なくとも20人が死亡、数十人が負傷した。オデーサで出た死者数としてはロシアの全面侵攻開始後で最多となった。
15日午前に最初のミサイルがオデーサを襲い死傷者が出た後、現場に駆けつけたウクライナの救急要員が2度目の攻撃に巻き込まれた。この攻撃方法は「ダブルタップ」と呼ばれ、2年以上続くウクライナでの戦争でロシアが使用し続けている。
オデーサ州救急当局の報道官はCNNに対し、「州内でダブルアタックが起きたのは初めてだ」と明らかにした。
現場に着いた第一対応者が直ちに消火に当たり、瓦礫(がれき)の除去や被害者の捜索を行っていたところ、2度目のミサイル攻撃があったという。救急隊員8人が死亡したことも明らかにした。
今回の攻撃はロシア各地で大統領選の投票が行われる中で発生した。選挙は慎重に演出されており、プーチン大統領の通算5選が決まるとみられている。
ウクライナ検察当局によると、死亡した20人のほかに救急隊員7人を含む少なくとも73人が負傷した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は夜の演説で、一連の攻撃を「唾棄(だき)すべき卑劣な行為」と形容。瓦礫の下敷きになった生存者の捜索が続いていると明らかにした。
「我が国の軍はロシアの殺人者に報復を思い知らせるため、あらゆる手を尽くすだろう」とも述べた。
オデーサはウクライナの穀物輸出にとって重要な港湾で、海軍の主要基地にもなっている要衝。ロシアによる攻撃が何カ月も続き、甚大な被害を被っている。