パレスチナがイスラエルに大幅譲歩か アルジャジーラが秘密文書公開

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エルサレム(CNN)  中東の衛星テレビ局アルジャジーラがイスラエルとパレスチナの中東和平交渉に関する内部記録とされる資料を入手、公開したことを受け、パレスチナ自治政府のアッバス議長は24日、文書の公開は「恥ずべき」行為だと激しく非難した。

公開された文書によると、2008年の交渉でパレスチナ側が、東エルサレムのほぼすべての入植地をイスラエル側に明け渡すとの譲歩案を示したとされる。パレスチナ側が建前とは異なり非公式な場で大幅な譲歩を示していた可能性がうかがえる。

東エルサレムはパレスチナが将来の首都にしたいと考えている地域で、自治政府はイスラエルによる同地での入植活動を一貫して非難してきた。文書の公開はアッバス議長にとって政治的な打撃となる可能性がある。

このほか公開された文書によると、パレスチナ側は難民の帰還権や、イスラム教にとって重要なアル・アクサモスクのある「神殿の丘」の管理などについても譲歩を提案していたという。

パレスチナのワファ通信によると、アッバス議長は24日、エジプトのカイロでアルジャジーラに対する非難を表明。報道は情報を意図的に混同したもので、我々には隠すものは何もないと語った。

一方、ラマラ中心部では同日、大勢のパレスチナ人が集まり、アルジャジーラと書かれた幕を燃やすなどして抗議をしたという。

西岸地区を支配する自治政府に対し、ガザを支配する武装組織のハマスは、自治政府には和平交渉を行う資格がないとして強く非難している。ハマスはイスラエルの存在権を認めず、テロ攻撃をたびたび仕掛けており、米国と欧州連合(EU)からテロ組織に指定されている。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相府は文書公開についてコメントを拒否。リーベルマン外相はラジオ放送で、問題となった交渉は現政権より左寄りのオルメルト前政権が行ったものだとしたうえで、「オルメルト政権が大幅な譲歩を受けても合意できなかったのであれば、必要なのは長期的な暫定合意であるということは誰の目にも明らか」だと述べた。

オルメルト氏の元報道官は、06年末から08年9月の間に同氏とアッバス議長の交渉で合意目前までいっていたことを明らかにした。

中東和平4者協議(米、ロ、国連、EU)特使を務めるブレア英元首相はCNNに対し、アッバス議長が今回報道されたような譲歩をするとは考えられないとし、「パレスチナ指導部が公式に認められた国際交渉に根本的に矛盾する譲歩を提示していたという考えは馬鹿げている」と語った。

アルジャジーラはウェブサイトで、中東和平交渉に関する1999年から2010年までの外交秘密文書を1700ファイル近く入手したとしているが、情報源は不明。CNNでは文書の真偽を検証できていない。アルジャジーラは26日にかけて一連の文書を公開するという。

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