コーヒーやお茶の抗酸化物質に健康効果なし? 米研究

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(CNN) コーヒーや紅茶に含まれる抗酸化物質には認知症や脳卒中のリスクを下げる効果が期待できるとされているが、そんな「通説」に疑問符を突きつける論文が20日、「ニューロロジー」誌電子版で発表された。

この研究は55歳以上の約5400人を14年近く継続して観察。対象者は調査開始時点で認知症の徴候がなかったほか、対象者のほとんどは脳卒中の病歴もなかった。170品目の食品について過去1年間にどのくらい摂取したかをアンケートし、食品中に含まれた抗酸化物質の量に応じて3つのグループに分けた。

研究開始以降、認知症と脳卒中を発症した人はそれぞれ約600人。だが抗酸化物質が豊富に含まれる食生活を送っていた人とそうでない人の間で、発症のリスクに違いはなかったという。

抗酸化物質を豊富に含む食品としてはブルーベリーやトマト、ケールなどが知られている。だが論文の著者の1人、ハーバード大学医学大学院のエリザベス・デボア専任講師によれば、研究に協力した人々が摂取した抗酸化物質のうち、最も多かったのはコーヒーや紅茶由来のものだった。

デボア専任講師は「認知症や脳卒中のリスクを下げる効果は抗酸化物質の総摂取量よりも、抗酸化物質の種類や主にどんな食品から摂取するかによって異なる可能性がある」と指摘する。

専門家によれば抗酸化物質と一口に言っても性質はさまざまで、この論文で果物や野菜に含まれる抗酸化物質の予防効果までが否定されたわけではないという。

実際、果物や野菜、一部のアルコール飲料を多く摂取することが脳卒中のリスクを下げる可能性を示す証拠は複数、見つかっている。

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