世界規模でのはしか感染、昨年は前年比でほぼ倍増 WHO

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米CDCによると国内20の管轄地域でのはしか症例は先月26日時点で128件だった/CDC/FILE

米CDCによると国内20の管轄地域でのはしか症例は先月26日時点で128件だった/CDC/FILE

(CNN) 世界保健機関(WHO)の研究者は4日までに、世界規模でのはしかの感染が昨年、計17万1153件だった2022年から32万1582件とほぼ倍増したと報告した。

23年のデータはあくまで暫定的な算出結果と指摘。今年はこれまで9万4000件以上となっているが、実際の数字はおそらくはるかに多いともみている。

これらのデータを踏まえ、はしかの排除状態が認定されている多くの国が現状を維持しうるための努力で試練を突きつけられているとも警告した。今回の報告は、WHOに所属するオコナー博士がスペイン・バルセロナで開かれた感染症関連の国際会議で発表した。

今年発生した症例を見た場合、そのほぼ半分はWHOの欧州管轄地域で検出され、最多の件数はアゼルバイジャン、キルギスやイエメンでみられた。

米疾病対策センター(CDC)によると、同国の管轄地域では先月26日時点で128件を確認。19年以降では最多の件数だった。米国では2000年に国内の撲滅が宣言された。海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみが認められる状況になっている。

ただ、CDCは今年の急速な拡大を踏まえ、排除状態の認定維持への脅威とも身構えている。

はしかウイルスは空気感染などで拡散し、その感染力は非常に強いといわれる。深刻な病状につながることがあり、時には死亡にも至る。特に若年層やワクチン未接種の子どもへの感染が警戒されている。

一般的な症状としては、発熱、せき、鼻水、涙目に発疹などが含まれる。CDCによると、米国内で発症し、ワクチン未接種だった5人のうちの約1人が入院となる比率になっている。

有効な対策としてはワクチン接種が指摘されている。1回目の接種の予防効果は93%、2回目は97%とされる。接種後の発症もあるがまれとされ、症状も通常は軽度とされている。

オコナー博士は同会議で、ワクチン接種ではしかへの感染が免れ、存命につながった人などは2000年~22年に推定で5700万人に達したと分析している。

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