国連報告書、捕虜の即決処刑を数十件記録 ウクライナ・ロシア双方が実行と指摘

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(CNN) 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24日、昨年2月以降にロシア、ウクライナ軍双方の手で行われた戦争捕虜の即決処刑を数十件記録した報告書を発表した。ただ、ウクライナ当局からの情報入手に比べ、ロシア国内やロシア占領地域から情報を得るのは非常に難しいと認めた。

OHCHRは新たな報告書で、ロシア軍によるウクライナ人捕虜15人の即決処刑について記録。このほか、ウクライナの捕虜が人間の盾として使われた例や、負傷した捕虜2人が拷問や医療不足で死亡した例にも言及した。

報告書に挙げられた事案の一つでは、ウクライナ国家親衛隊の将校が2022年4月、マリウポリのラジオ局に入るパスワードの提供を拒否した後、拷問を受け処刑された。9月にはバフムート南郊の村で、負傷したウクライナ兵が民間軍事会社ワグネルの戦闘員によって拘束され、胸部を3回、頭部を1回撃たれる事案も起きた。

報告書は「即決処刑や戦争捕虜および戦闘能力を失った者に対する攻撃は国際法で禁じられている。故意の場合、戦争犯罪になる」と指摘している。

報告書ではまた、ロシアやロシアの占領当局から十分な協力が得られなかったことに言及。繰り返し要請したにもかかわらず、ロシアによって抑留された捕虜とは全く連絡が取れなかったと説明した。ただ、8月に1度だけ、国連のチームがロシア占領下のウクライナ東部ルハンスク州でウクライナ人捕虜13人と会う機会はあったものの、聞き取りはできなかったとも言及した。

一方、OHCHRはオープンソースの情報や現場視察、目撃者への聞き取りを通じ、ウクライナ軍によって拘束されたロシア人捕虜少なくとも25人の即決処刑についても記録した。

報告書は、ウクライナ東部ルハンスク州で昨年3月、ロシアとつながりのある武装集団の構成員の一部が投降の意思を表明することを拒んだ後、ウクライナ兵によって殺害されたと示唆している。報告書はこれらのロシア人戦闘員について、砲撃後に地面に横たわっていた兵士であり、一部はすでに死傷していた可能性があると指摘している。

ロシア当局の協力不足とは対照的に、ウクライナの公式施設に勾留されているロシア人捕虜には「完全かつ機密性の保たれたアクセス」ができたという。

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