英高層ビル60棟、安全点検で不合格に ロンドンの火災受け

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グレンフェルタワーの火災を受け、英全土で高層ビル600棟の安全点検が行われた

グレンフェルタワーの火災を受け、英全土で高層ビル600棟の安全点検が行われた

ロンドン(CNN) 英ロンドン西部の高層住宅「グレンフェルタワー」の火災を受けて英全土で行われた高層ビルの安全点検で、少なくとも60棟が不合格と診断された。英政府が25日、CNNに明らかにした。

グレンフェルタワーの火災は14日に発生し、79人が死亡した。これを受けて英全土で高層ビル600棟の安全点検が行われており、25日までに点検が行われた60棟すべてが不合格となった。

今回の火災では、グランフェルタワーの外装に使われていた断熱材や外壁材のために火の回りが速くなったのではないかとの見方もあり、全土で自治体や関係企業が高層ビルの点検に追われている。

ロンドン北部カムデンでは23日夕、消防当局が安全ではないと判断した建物に住む約4000人が、自宅から避難した。

今回の火災は、英国の富裕層と貧困層の格差も浮き彫りにした。問題が指摘された建物は公営住宅が多数を占め、住民は以前から、当局が対応を怠っているとして苦情を申し立てていた。

メイ首相は24日、カムデンなどの自治体と連携して、英全土で高層住宅の防火問題に取り組むと述べ、「国民の安全を保つために必要な対策を確実に講じる」と語った。

警察は23日、グレンフェルタワーの火災を事件として捜査し、過失致死罪の適用も検討していることを明らかにした。同タワーの断熱材や外壁材を調べた結果、安全基準違反があったことが判明。警察は火災が瞬く間に燃え広がった原因について、建設や改修にかかわった全ての組織を捜査の対象としている。

一方、火災現場では今も専従チームが焼け跡のビルの捜索を続けており、犠牲者はさらに増える可能性もある。

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