メイ英首相、メルケル独首相と会談 「秩序あるEU離脱を」
ロンドン(CNN) 英国のテリーザ・メイ首相が就任後初の外遊でドイツを訪問し、20日にベルリンでメルケル首相と会談した。今回の外遊を通じ、欧州連合(EU)離脱に向けた交渉を円滑に進めることを目指す。
メルケル首相は夕食会を前にメイ首相との共同記者会見に臨み、英国とドイツは友好関係にあって価値観も共有していると指摘。両国の二国間関係や貿易は、英国がEUを離脱した後も続くと明言した。
ただしメルケル首相は、EU離脱の手続きを定めたリスボン条約50条が発動されるまで、公式交渉も非公式交渉も開始できないと強調した。
続いて発言したメイ首相は、両国とも2国間のできるだけ密接な経済関係を維持したい意向だと述べ、ドイツと英国の企業もそれを望んでいるとした。
メイ首相は「メルケル首相や欧州理事会の首脳と建設的な精神で連携し、合理的かつ秩序ある離脱を果たしたい」「我々全員がそうした交渉のための準備時間を必要とする。英国は我々の目標がはっきりするまで50条を発動しない。既に表明した通り、年内に発動することはない」と言明した。
発動の先延ばしについては「誰もが喜ぶとは限らない」としながらも、「今それをはっきりさせておくことが大切だと考える」としている。
メイ首相は21日にはパリでフランスのオランド大統領と会談し、50条の発動について同様の意向を伝える方針。