竜巻に巻き上げられた4カ月の乳児、倒木の上で無事発見 米テネシー州

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突風に巻き上げられた後、無事に発見されたロードちゃん/Courtesy Sydney Moore

突風に巻き上げられた後、無事に発見されたロードちゃん/Courtesy Sydney Moore

(CNN) 米テネシー州を今月襲った竜巻で自宅から吹き飛ばされた生後4カ月の乳児が、近くの倒木に引っ掛かった状態で無事発見される出来事があった。命に別条はなく、関係者は「奇跡」と受け止めている。

テネシー州クラークスビルにあるシドニー・ムーアさん(22)のモバイルホームは、9日に発生した竜巻に直撃されて屋根が吹き飛び、生後4カ月の息子のロードちゃんは突風に巻き上げられた。

突然の出来事だった。ムーアさんはとっさに身を盾にして、1歳の息子のプリンストンちゃんを守った。

ムーアさんのボーイフレンドのアラミス・ヤングブラッドさん(39)は、ベビーベッドで眠っていて風と粉塵(ふんじん)の渦に巻き込まれたロードちゃんを助けようとした。

しかしモバイルホームの壁が崩れ、轟音(ごうおん)を立てて吹き荒れる暴風とたたきつけるような豪雨が襲った。ベビーベッドに手を伸ばしたヤングブラッドさん自身も、巻き上げられて宙に吹き飛ばされた。

ムーアさんは、プリンストンちゃんを抱いて残骸の下からはい出した。

ムーアさんによると、ヤングブラッドさんは肩を脱臼するけがを負いながら必死でがれきの山をかき分け、10分後、ロードちゃんを発見した。ロードちゃんはモバイルホームの跡地から9メートルほど離れた場所で、倒木に引っ掛かって泣いていた。

「まるで映画の一場面のようだった」とムーアさんは振り返る。「服もボロボロになったアラミス(ヤングブラッドさん)が、大雨の中、ロードを腕に抱いて歩いてくる姿は忘れない」

ムーアさんの姉妹のケイトリン・ムーアさんによると、モバイルホームのがれきの中からは、昨年亡くなった母の遺灰も無傷で見つかった。「おいのロードを木の上に置いてくれたのは、きっと母だったんだと思う」とケイトリンさんは話している。

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