米国が夏時間を維持する理由は、切り替えのわずらわしさに不満も

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米国で「デイライト・セービング・タイム」と呼ばれる夏時間が終了した/Jasmin Merdan/Moment RF/Getty Images

米国で「デイライト・セービング・タイム」と呼ばれる夏時間が終了した/Jasmin Merdan/Moment RF/Getty Images

(CNN) 米国で「デイライト・セービング・タイム」と呼ばれる夏時間が終了し、5日午前2時、時刻が1時間戻されて標準時間に切り替わった。

米国などでは毎年3月の第2日曜の午前2時に時刻が1時間進められ、11月の第1日曜の午前2時に1時間戻される。

夏時間を3月から11月までとする現在の制度が米国で始まったのは2007年だが、「日光節約」という考え方はもっと古く、もともとは列車の時刻表に由来する。欧州や米国では、第1次世界大戦中に燃料や電力を節約する目的で始まった。

米国でもハワイ州やアリゾナ州のほとんどの地域、太平洋やカリブ海の米領の一部では夏時間を実施していない。年に2回、時刻を切り替えるわずらわしさに対しては議員からも不満が噴出し、2022年3月には年間を通して夏時間を実施する法案が全会一致で米上院を通過した。

同法案は下院で否決されたが、23年3月2日、超党派の上院議員が夏時間を恒久化して時刻の切り替えをなくす法案を改めて提出。下院にも関連法案が提出された。

過去25年の研究では、時刻が1時間切り替わると地球の自転に同調する体のリズムが乱れることが分かっており、夏時間を実施すべきかどうかをめぐる論議に拍車がかかった。

例えば時刻の切り替えで睡眠時間が減って自動車事故が増えるという調査もあれば、日が長くなれば窃盗が減るという調査もある。夏時間が始まる時期は心臓発作が増えることも分かっているが、日が長くなることで幸福度は高まるらしい。

結局のところ、どちらの方が助けになるのかははっきりしない。いずれにしても、当面の間、米国の夏時間が廃止されることはなさそうだ。

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