シャネルやフェンディといったトップブランドのデザイナーとして活躍し、20世紀のファッション界における最重要人物の1人とも目されるカール・ラガーフェルド氏が19日朝、パリで死去した。85歳だった。
ラガーフェルド氏の健康状態に関しては、先月下旬のシャネルのショーを欠席したことでさまざまな臆測が飛び交っていた。シャネルは欠席の理由を疲労のためとしていた。
ドイツのハンブルク出身のラガーフェルド氏は、1950年代にパリで業界でのキャリアをスタート。67年にフェンディからコンサルタント・ディレクターとして迎えられ、同ブランドの毛皮製品のラインナップを手掛けた。
83年にシャネルのクリエーティブ・ディレクターに就任すると、同氏の下でシャネルは世界的なトップブランドの地位を確立した。
銀髪をポニーテールにまとめ、黒のサングラスと手袋を身に着けたそのスタイルがトレードマークとなり、同氏自身もファッション界で最もよく知られた存在となっていった。
シャネルのアラン・ヴェルテメール最高経営責任者(CEO)は、19日に声明を出し、ラガーフェルド氏について「時代を先取りしていた」「その天才的な創造性、発想の豊かさ、類まれなる直観で、シャネルに世界的な成功をもたらしてくれた」と語った。
フェンディとルイ・ヴィトンを展開するモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)を率いるベルナール・アルノー氏は、ファッション界が「1人の偉大な才能を失った」とラガーフェルド氏の死を悼んだ。