地軸の傾きに変化、大量の地下水くみ上げが影響 新研究

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地下水の採取が地軸の傾きに変化を及ぼしているとの研究結果がこのほど発表された/Irfan Khan/Los Angeles Times/Getty Images

地下水の採取が地軸の傾きに変化を及ぼしているとの研究結果がこのほど発表された/Irfan Khan/Los Angeles Times/Getty Images

(CNN) 人間があまりに大量の地下水をくみ上げたために、地軸の傾きに変化が生じているという研究結果がこのほど発表された。

地下水は人や家畜の飲み水となり、降雨の少ない時には作物の灌漑(かんがい)にも利用される。しかし今回の研究では、10年以上にわたって地下水をくみ上げ続けた結果、地球の回転軸が年間約4.3センチのペースで東の方へ傾いていることが分かった。

この変化は地表でも観測され、世界の海面上昇の一因にもなっている。論文は15日、韓国・ソウル国立大学の研究チームが地球物理学誌に発表した。

地球は南北を結ぶ地軸を中心として、時速約1609キロの速度で回転している。

米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の専門家によると、季節の変化の流れはこの回転軸の角度と関係があり、地質学的な時間の経過に伴う地軸の変動は、世界的規模で気候に影響を及ぼす可能性がある。

地球の内部は岩盤とマグマの層が、密度の高い高温の核を取り囲んでいる。しかし最も外側の岩盤層には膨大な量の水も存在する。地下の帯水層と呼ばれる地層には、世界中の河川や湖の水を全て合わせた量の1000倍を超す水が存在すると推定される。

2010年に発表された推計によると、1993~2010年の間に人間がくみ上げた地下水の量は2150ギガトンを超え、ほとんどは北米の西部とインド北西部でくみ上げられていた。もしこの量を海に注いだとすると、海面は約6ミリ上昇する。

2016年に発表された別の研究によれば、2003~15年にかけての地球の回転軸の変化は、氷河や氷床、および地球に貯蔵された水の質量の変化と関連している可能性がある。

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